2011年11月17日

怒濤と疾走のトライアングル

突然炎のごとく
フランソワ・トリュフォー
11.1116JulesetJim.jpg★★★☆☆

 トリュフォーの超メジャー作。原題は『ジュールとジム』、大親友の2人と深い関係を築く1人の女、カトリーヌ。ジャンヌ・モローが演じたカトリーヌは強烈な自己中キャラで2人を翻弄。時に他の愛人をも交えいびつな恋のトライアングルを描く。
 「ヌーベルバーグ」を代表する初期作品。小気味よく急展開するストーリーに編集もテンポがいい。恋愛至上主義のフランス人気質だが、物語は世界大戦が平和な3人の関係を切り裂いていく。ジュールはもともとがオーストリア人であるため、敵対する立場となる。が戦後となり、元々ジュールとカトリーヌが結婚して暮らしていた山荘に、ジュールの願いでジムも暮らすことになる。カトリーヌの愛情は気まぐれで瞬間的で読み取ることが難しく、やがてジムは分かれていくが、カトリーヌがまた呼び戻したりして、ラスト付近は混沌となる

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2011年11月12日

舞台役者バチスト。恋の悲劇

天井桟敷の人々
マルセル・カルネ
11.1111enfants_paradis.jpg★★★★★

 『天井桟敷の人々』を久々に観てみる。人間カタログのようにそれぞれキャラクターが際立つ構成。芝居小屋フュナンビュール座の「天井桟敷」や、座が面する通り「犯罪大通り」は常に人々で賑わいをみせる「ハレ」の場だが、それに反してキャストたち、バチストやナタリーたちの心はハレることは無く悲恋に包まれる。最高の観後感

 パントマイム役者、バチストの悲恋。恋の相手、ギャランスは見せかけは達観しクールだが、決して心中おだやかでない。2人の間でピエロのような立ち回りを働く役者ピエールもギャランスへの想いもあり複雑な所。ギャランスを射止めるのはモントレ−伯爵となるが、ギャランスの友人にて犯罪者ラスネールが伯爵をはじめギャランスに関わる男たちに影響を及ぼす。映画の表となるバチストとギャランスの恋だが、その恋の影にいてバチストを一途に想うナタリーも悲し美し。

 大枠で恋の話。3時間を越える大作は2部構成で前後半に分かれる。その間何年かのギャップ。
 舞台はパリの繁華街、犯罪大通り。バチストの所属するフュナンビュール座は無言劇を掛けている。バチストがギャランスと出会ったその日、バチストが呼び込みで道に立っていると、それまでギャランスとともにいたラスネールがとある紳士の懐中時計を盗み、ギャランスに疑いがかかるが、その始終を見ていたバチストがパントマイムによって何が起こっていたかを警察に教えてギャランスの疑いを解く。バチストはギャランスに運命的な一目惚れをするが、ギャランスにとってはささいなこと。しかしその夜、2人は夜の街で再開し、バチストの愛は確信的となる。ギャランスにとってはどうだったろうか。しかし、後に一緒に暮らすこととなったピエールはギャランスが寝言で「バチスト」とつぶやいたことを伝えている。ピエールは売り込みをかけ役者としてフュナンビュール座に参加し、ギャランスもバチストの誘いで座に加わる。そこではバチストを想うナタリーがいて、ギャランスの出会いから急変したバチストに複雑な想いを抱える。ギャランスは舞台に立つ姿を見初められ求められたモントレ−伯爵の求愛を、ラスネールによるさらなるとばっちりにより受け入れるしかない状況なり。そのまま愛人暮らしに。
 部を分けて後半。数年後、バチストはナタリーと所帯を持ち子を授かるが、パリに舞い戻ったギャランスと再会をとげる。結ばれる2人にナタリー。そして俳優として売れっ子になったピエールにモントレ−伯爵は決闘を誘いかけ、しかしそこに立ちはだかる悪漢ラスネール。カーニバルの喧噪の裏で悲劇が立ち上がる

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2011年11月05日

ノスタルジックな映画への郷愁から

ザ・マジックアワー
三谷幸喜
11.1104MagicHour.jpg★★☆☆☆

 古き良き映画。フィルムノワール、日活アウトローものなどへの郷愁、憧れより突き動かされたプロットか。ヨーロッパの石畳の街角を再現したかのような巨大セットを組み、時代不詳のギャング映画へ。妻夫木聡演じるギャングの手下・備後が、佐藤浩市演じる売れない役者・村田をだまし架空の映画への出演にこじつけ自らの保身を計るが、事態はうねりにうねって備後の想定を越える展開に。
 劇作家・三谷幸喜、映画進出4作めにあたる今作。まずはカメオ出演も含め豪華なキャスト陣がそろう。魅せるのが難しいコメディ路線だが誰にでもわかりやすく起伏のある構成。しかし何か特別感が乏しく、あざとい芝居が目につく。ラストの勢いある展開にも少々飽きがきてしまった

 備後はボス(西田敏行)の愛人マリ(深津絵里)と内通したことにより立場を危うくし、敵対するグループにいる謎のスナイパー、富樫を数日内に連れてくること強要され、この富樫の代わりにと、撮影所で大げさすぎる芝居により現場から疎まれていた村田を、新作映画の撮影があるとして呼び込んだ。備後は愛人マリとの会話の中で、マリが自分のいる風景はまるで映画のセットのようだ、といったことのより映画撮影のどさくさにまぎれて事態を治めようと画策したもの。村田はマネージャーの長谷川ともにとっぷりと(ニセの)映画現場での生活に浸る

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2011年09月10日

阿佐ヶ谷気分。時代の空気感映し出して

美代子阿佐ヶ谷気分
坪田義史
11.0909asagaya.jpg★★★☆☆

 裸身も多く、ヒロイン美代子役の町田マリーの物憂げな存在感で引っ張るシネマ。冒頭、どこかのアパートの部屋。遅い朝か、布団に横たわる美代子のマンガのカット割とシンクロしたシーンは、後に思えばこのところだけ、なぜか現代風になってる。ぶつぶつとつぶやく声は余り聞き取れない。つぶやきはこの後も、その時々の美代子の気分をつたえる。しかし、余り何を言ってんだか聞こえない。
 主線は、かつて「漫画ガロ」に連載を抱えていた伝説の漫画家、安部愼一の実録記。1970年代のこと。同棲相手、美代子との私生活をそのままマンガの題材として当時人気。女性を描くのに、美代子の裸身の写真を撮ってトレース、画力に自信がないからと。
 貧乏アパート、阿佐ヶ谷のレトロな風景など昭和の時代描写が行き届く。当時の阿佐ヶ谷気分が伝わる。時々挟まれるシュールなインサートや武満徹ライクなBGMも当時の空気感=気分をあらわす。雰囲気作りは最高
 その後、同棲生活は美代子の友達、真知子と愼一が関係を持ち、愼一は友人の川本が美代子を慕っているのを知り無理矢理結びつけたりするなどで行き詰まっていき、創作活動も滞ってく。そして阿佐ヶ谷から地元九州に帰った2人は結婚をし、真知子の性愛力は増し、愼一は精神を病み、新興宗教にハマるなどして没落していくなど
 美代子の友達、真知子は、あんじが演じてる。確かモデルだった、懐かし

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2011年09月06日

"TRICK"10周年で映画版第3弾

劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
堤幸彦
11.0804tri.jpg★★☆☆☆

 当初、深夜ドラマから始まって、ゴールデンタイムドラマとなり映画化に至った『トリック』も10周年となって、久々にメディア登場。映画版は3つめとなる(封切りは2010年)。毎回奇才、堤幸彦による才気走った演出が魅力だが、今作では少々、これまでよりかはパワー落ちるか。マッタリ感漂う。
 自称天才マジシャン・山田奈緒子と物理学者・上田次郎のでこぼこコンビが、霊能力のインチキを解き明かすサスペンスコメディ。今作では代々、カミハエーリと呼ばれる霊媒師に治められてきた寒村、万練村で次期カミハエーリ選出のため、外部の霊能力者が集められ、その力を競う主線。山田は花やしきでのマジックの仕事を首となり、興行主から万練村の話を聞き一儲けを企んで来たのに対し、上田は村の次期カミハエーリ候補の若者から霊能力の嘘を暴いて欲しいと乞われてやってきた。そこでは人の生死を操る鈴木(松平健)など怪しげ霊能力者が集まっており、技を競うが次第に殺し合いの様相とかして、山田と上田は共同戦線を張ることに。

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2011年06月23日

ディートリッヒがベルリンの歌姫

異国の出来事
ビリー・ワイルダー
11.0622ForeignAffair.jpg★★★☆☆

 ディートリッヒがはまり役、クラブの女主人にして歌手を演じる。歌も数回披露してけだるく妖艶な存在振りまくが主演ではない。それでも確実の映画のキモを握る存在。他があまりメジャーでないせいもある。故郷、ベルリンを舞台にした映画で、ドイツ人歌姫役というのもはまる

 大戦後のベルリンに視察に訪れた米国議員団のうちの一人の女性議員フロストが、現地米軍士官プリングル大尉と恋に落ちるが、大尉は現地の歌謡クラブの女主人エリカと恋仲である。ディートリッヒはそのエリカ役。ヒロインのフロストは堅物女性で米軍兵士らが現地女性をナンパする図を見て嘆かわしく思うが、自ら現地女性を装い彼らがどこに誘い込もうとするか探る行動力の持ち主。フロストに対し、現地案内としてプリングル大尉がアテンドされるが、やがてフロストは大尉に惹かれてしまう。大尉にはエリカという愛人がいるが公でない。しかもエリカにはナチス幹部の元愛人という嫌疑もかかっており、さらにベルリンの顔役と呼ばれる人物とも通じており、これをつぶしたい米軍当局はエリカとつながる大尉をうまく利用したい腹づもりでいる。そんなさなかでフロストが関わり事態は複雑化。
 ビリー・ワイルダーなりコメディタッチな風合いも見え隠れする

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2011年06月07日

成瀬&高峰、復讐のサスペンス

ひき逃げ
成瀬巳喜男
11.0606hikinige.jpg★★★☆☆

 子をひき逃げされた母親の苦しみと復讐の行方。監督:成瀬巳喜男、主演:高峰秀子として長年コンビを組んできたラスト作品にして、サスペンス色の強い社会派作品。脚本は高峰秀子の夫であり映画監督でもある松山善三のオリジナル作。舞台は横浜。山手の金持ちと、崖っぷちに棲む庶民の貧しさを対比し、交通事故の加害者一派と被害者の複雑な心理戦描く。ラストで弱者が救われることもなくやるせない事態のてん末

 一人息子の我が子を「ひき逃げ」したのが某バイクメーカーの重役夫人であることを知った国子は(夫が別人を犯人に仕立て上げた)女中としてその豪邸に乗り込み、復讐のためその家の子供の命を奪う契機を伺う日々を送る。しかしその子は国子になつき、一度は交通往来の激しい通りを挟みその子をこちらへと誘い轢殺されることを計るも、寸でのところで自分が救ってしまい志が果たせない。しかしある日、夫人と子もろともガス殺しようとするが、既に夫人は自らの不倫関係に悩みべットの中で子と服毒心中をしており、しかし、国子に殺人の容疑がかけられ、警察で連日犯人呼ばわりされることで心身に異常を来すことに。やがて夫人の死が自殺だと判明し容疑が晴れるも、壊れた心は元に戻らない…

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2011年05月28日

女性たちの真実を描いて

オール・アバウト・マイ・マザー
ペドロ・アルモドバル
11.0527AllAbout.jpg★★★☆☆

 さまざまな背景を背負った女性たち、女性になった人たちがかかわり合うストーリー。スペインの名匠、アルモドバルの手による女性讃歌。自身の深い思い入れが作品内にほとばしる。監督が子供時分より感じていた男社会に生きる女性たちの、時に嘘をつき「芝居」することで処世し問題を解決する様をストーリーに忍ばせていると。そして映画『イヴの総て』や芝居『欲望という名の市電』の引用により、女性同志の関係や女性自身の本質を際立たせている。私小説的な風合いもあり、どうにも話を追って行きずらさがあるが、じんわり感動させられるヒューマンストーリー。ごくごく特殊な事例ではあるかな。しかしどうして、みなに予期せぬ出来事は起こる。たまたまそうなった女性たちがたまたま一時期をともに過ごしてこうなった。

 女手一つで育てた最愛の息子を事故で亡くした一人の女性、マヌエラのその後の出来事を追ったストーリー。移植コーディネーターだったマヌエラはまさか自分の息子が犠牲になるとは信じきれず、息子の心臓が移植された患者を近づくなど混乱する中、息子の父である人にそのことを伝えようとマドリードからバルセロナへ向かう。
 息子の生前のこと。作家を目指していて、自分の母についての小説を書きたがったいたが見知らぬ自分の父のことについてはどうしても知っておかないとならない。母マヌエラの写真はすべて半分で切られている。マヌエラはすべてを言っておかねばと思っていた矢先の事故だった。バルセロナでは、息子の事故に深いつながりのある舞台女優を知り合うとことに。そして身重のシスター、旧友の女性転換者ラとの関係。息子の父であるエステバンとも再会する

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2011年05月15日

勝新ヒットの座頭市、初回版

座頭市物語
三隅研次
11.0514zatou.jpg★★★☆☆

 意図せぬまま用心棒として敵同士となった座頭市と平手御酒(みき)の友情物語が悲しくつづられるストーリー。勝新(勝新太郎)で大ヒットの座頭市シリーズ初回版。巨匠・三隅研次の手により、コントラストの強いモノクロ画面。おおよそシックでダンディズムあふれるヤクザ映画に仕上げられて名品。こと勝新の市もすごみが効いて存在感あるが、御酒を演じた天地茂もかつて千葉道場の高弟にあった凄腕の持ち主、今は病にやつれた浪人風情。方や小太りで方や細身の両極ヒーローの対比がよろし。互いに旅人、2人は無聊にかこつけ溜池の釣り場出合い意気投合する。が敵対同士の一家にそれぞれが投宿してるためにやがては斬り合う羽目になる事をなんとかさけたいと感じるも、ストーリー上、ヤマでは2人の対決となる悲劇。さらに市のいる一家では女性がらみの死亡事件も起きて身の回りがざわつく市。

 盲目のヤクザにて居合い抜きの達人「座頭市」が旅先で巻き込まれた一騒動。下総は飯岡の助五郎親分の客人としてわらじを脱いだ座頭市だったが、なんとも狡猾な一家に嫌気がさすもののしばし様子見。助五郎親分は市を用心棒として留め置く。方や平手御酒は新興のヤクザ、笹川の繁蔵一家に投宿しており、釣り場で市と出会って互いのただならぬ雰囲気から意識し合う仲に。親分から市の世話人として付けられている蓼三は女性問題を抱えていて妹から付け上げられていたがその女性が水死体で上がる。いつものため池で市は御酒と会いしばし弔いの酒を酌み交わすも市は帰り道、繁蔵の手のものに急襲されるがこれを一蹴。御酒は持病が悪化し吐血。敵対する繁蔵一家の用心棒が倒れたのを知った助五郎連は殴り込みにかかり、用心棒役を降ろされた市は病気の御酒を訪ねる。しかし御酒は病を押して参戦しており、市が現場に駆けつけると御酒は奮迅の闘い、しかしボロボロ。市はかつて聞いていた殺られるならお前に殺られたいとの御酒の言葉を思い出し泣く泣く御酒と相対し勝利す。市は刀が仕込まれた杖を御酒と一緒に埋葬してくれと頼み旅の途へ。

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2011年05月13日

流転のヒロイン、気丈に立ち向かう

あらくれ
成瀬巳喜男
11.0512arakure.jpg★★★☆☆

 戦後の東京、鼻っ柱の強い娘、お島、受難の一代記。ヒロインお島は、行く先々で困難にぶち当たるも持ち前のバイタリティではねのけるが、勝ち気な性格ゆえに受難のスパイラルは断ち切れず振り幅の大きい浮沈を繰り返し激動の道を往く強き女。巨匠・成瀬監督に、芸達者・高峰秀子のコンビ作では『浮雲』ほどの話題作とはならぬものの、なかなかどうして分厚い女性映画。こと高峰が演じることでカラカラと明るく、適度にしっとりして後味のいいシネマ。行く先々の男ども(一部女性)と仕掛けることになる大げんか、大立ち回りはリアルファイトの迫力をかもしてて痛快しきり

 庄屋の娘に生まれついたお島。幼き日は里子に出され、縁談を自ら断り東京に戻ってきては商家の後妻に入るもその亭主、鶴さん(上原謙)は浮気者かつ陰湿な性質で大げんかの末、家出。兄の借金のカタに女中として勤めた山村の旅館ではその亭主(森雅之)といい仲になるも、病気の女将が回復し、東京からきた父親に連れ戻される。めげないお島は元々は内職として始めた裁縫を商売として成り立たせ職人、小野田(加東大介)をパートナーに店を始める。小野田はしかし連れ添ってみれば怠けと女好きの気があり次第に対立、店も没落し一度は店を手放すも、ゼロからやり直した2人はお島の強力な営業力により2度目は規模を広げることに成功。お島はかつての旅館の亭主との仲は継続していたが病没。羽振りの良くなった小野田は妾を囲い、それに気付いたお島は妾宅を襲うことに…

 ラストはまた新たな旅立ちで光さす。か、また次なる波乱への幕開けか

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2011年04月24日

バーの女給のやるせなさ

銀座化粧
成瀬巳喜男
11.0423g.jpg★★★☆☆

 田中絹代主演で成瀬巳喜男監督と組んで作られた、とある中年女給のやるせないエピソードを捕らえた作品。田中絹代は銀座のバー「バア・ベラミイ」の女給、雪子役。女給とは今で言うホステスのこと。若手と店主の間に立ち店を切り盛りするベテラン女給、雪子は息子と二人で近くの長屋に暮らす。息子の父親には家庭があり既に落ちぶれてしまっていて雪子に金を無心に来るろくでなしだが、雪子は無下にせずお金与える。そんな前提。

 当時昭和20代の銀座の風景が数多く切り取られている。路面電車に、低層でモダンな商店街、夜のネオンの街、多くの堀があり、繁華街に隣接する住宅地には長屋が並び子供達が走り回る。紙芝居屋もやってくる。雪子が働くバーには流しのバイオリン弾き、歌の伴奏集団や、花売り、せんべい売りの子供らが自由にやってきて、時に客がいないと見るや、そそくさ出て行く様子など。これら風俗描写が写実的、なのだろう。そして、見所は雪子の心情変化。そこら辺は成瀬監督、巨匠たるゆえんの技であるかな

 元の女給仲間の知り合いが上京となり代わりに2日間の東京見物を頼まれた雪子。上京してきた石川京助は公務員ぜんとした素朴な青年だったが、雪子が以前に被害を受けた無銭飲食者を捕まえるなどで男気を見せ、夜の空を見てはロマンあふれる星の話などし始めるあたりから徐々に雪子の心にさざ波が立つ。そんな折に息子の失踪騒ぎが降り掛かり、石川の相手をバーの妹分の京子(香川京子)に代わってもらい息子探しに奔走。息子は無事見つかるも、代わりを任せた京子は石川と婚約に至るまでの恋を超速で実らせる。京子の純粋な思いを聞くうちに、嫉妬の怒りも冷める雪子。
 幼子をかかえる中年女給のやるせない都会生活。強い意志で日々をやりこなすしかない。そこはとなくやるせなし

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2011年04月20日

トライアングルな関係力学

蛇にピアス
蜷川幸雄
11.0417hebi.jpg★★☆☆☆

 体に穴をあけ入れ墨を施すなど身体改造志向の人らの思考性を描いたアンダーグラウンドな肌合いのシネマ。ショッキングな話題を持ち込みつつも、内実は素朴で純粋な恋愛モノになっているあたりがキモ。2004年の芥川賞受賞作を原作に、舞台演出家の蜷川幸雄が監督を担い、吉高由里子が映画初主演。吉高の役どころ、モノホンの舌ピアスに数多くの濡れ場ありで相当ハードな役回りだが、この映画をステップに今となっては引っ張りだこのメジャー女優。主要の俳優陣2人も高良健吾、ARATAでこちらも今売れ時の2人。注目の若手3人が出演が話題。

 割れた舌を持ちピアスだらけの男、アマとクラブで出会ったルイはアマの舌「スプリットタン」に興味を持ちアマと同棲を始めるが、アマの知り合いのピアスショップの店主で入れ墨掘り師のシバとも密通。背中に入れ墨を入れてもらう事後にSMがらみで関係を重ねる。アマはルイが目の前でナンパされたことによる暴力事件で追われる立場にあり、ルイはそのことによる心労からか舌ピアスの穴を広げる刺激やシバの責め苦、アルコール依存へとひた走る。すると突然アマはルイの前から姿を消すが、ルイはアマの本名を知らないことに気づき、普通の関係を築けなかったことを悔やみ悲しみに暮れる…

 主舞台は夜の渋谷センター街にアマとルイの同棲するアパート、地下のピアスショップと限定されたダークな空間。出演者も少なくこじんまりとした印象。風景カットとして電車が遠目から撮られた映像が所々で挟まれるが、蛇のようにうねうねとした電車の走りの見え方が新鮮。

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2011年04月11日

途中からグッとくる色物シネマ

グエムル 漢江の怪物
ポン・ジュノ
11.0410Gwoemul.jpg★★★☆☆

 今作の監督はポン・ジュノは、レオス・カラックスも参加した3編オムニバスの『TOKYO!』(2008年)の監督を担ったうちの一人。『TOKYO!』では独特の質感の映像美が強烈な印象を残していて、今作でもそんな映像美は存分に楽しめる訳で、独特の色抜けした、それでも艶やかな質感は美的。映画の内容は古典的怪獣映画なのだが、序盤の、現れる怪物・逃げ惑う人々といったパニックな展開から、徐々に家族愛的な、一人娘を救出に立ち向かう男とその家族ら、彼らを拘束しようと言う警察の網をかいくぐり、娘の居場所を突き止める人らの執念のアクションストーリーに変わってく。この展開は個性的な人物設定も相まって、ある程度引き込まれるのだが、なにぶんCG合成で仕立てられた怪物の実写とのなじみは、映画が製作された時代を表すクオリティで、これもハリウッドのその筋に発注されたとされるが、厳しかろう。
 あとは『リンダ リンダ リンダ』や『空気人形』など日本でもおなじみのペ・ドゥナが、娘を探し求める男、カンドゥの妹、ナムジュ役で出ていて、全編ほぼジャージ姿で奮闘している

 ソウル市の中央を流れる漢江(はんがん)周囲を舞台に、実際の出来事をヒントに書かれたストーリー。その昔、駐韓米軍がらみで漢江に流された薬品が元で奇妙な生き物が生まれる。エイリアンに元が取られたようなグロテスクな半魚動物、"グエムル"。漢江の河原から現れて人々を襲ううち、一人の少女が食われてしまうが、その父は後日携帯電話で娘の声を聞き生きていることを知ると、自分たちが隔離されている病院から家族もろもと脱出し妹の救出に奔走する。

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2011年04月02日

30年を経て日の目みる文楽ムービー

文楽 冥途の飛脚
マーティ・グロス
11.0401meido.jpg★★★☆☆

 美しき人形のアンサンブル。名の知れた使い手、太夫らも若く鮮烈な映像群が胸を打つ舞台実録のドキュメント
 文楽の大御所総出演による名曲「冥途の飛脚」映画版。30年前に京都太秦に文楽の舞台を再現し撮影されたと。カナダ人監督によるもので、当初はアメリカのTV向けに制作、日本での劇場公開はなく、このほどデジタルリマスターでよみがえったもの。
 東京都写真美術館ホールで上映されていたが、4/1で終っている。最終日、4/1に監督、マーティ・グロス氏が30年を振り返って映画の裏話などトークショー。氏は当時30歳あたりで当初は日本の陶芸に興味を持ち来日したものの文楽の魅力に取り付かれ連日見に行くにつれ、海外に紹介すべく文楽映画を撮ったと。浄瑠璃劇にありがちな心中ものを避け、義理人情がシンプルに表現された演目「冥途の飛脚」をピックアップ。リマスターに当たっては日本語字幕版を手がけたが、この後、ドイツ語、フランス語、中国語版なども制作すると

 「冥途の飛脚」は、舞台大阪、飛脚問屋の跡取り養子、忠兵衛が遊女、梅川と恋仲になるが、忠兵衛は友人の金を横領、さらに公金にも手を付け、梅川を身請けするも、2人は破滅の道に向かう… などのストーリー。
 オリジナルは全編3時間近くありこれを90分以内のテレビサイズに編集。コンパクトにまとめられた構成

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2011年03月21日

中年女性と少年のロードムービー

セントラル・ステーション
ウォルター・サレス
11.0320CentraldoBrasil.jpg★★★☆☆

 ブラジル、リオ中央駅で出会った二人、中年女性ドーラと少年ジョズエは曲折の末、ジョズエの父探しの旅路に出立。ブラジルの荒野を旅する映画は、繰り出される風景も含め独特のカオスっぽさが異色の肌触り。2人の距離感はラストに向かうにつれ徐々に近づき、切なきラストを迎える。
 監督はチェ・ゲバラの若き日をつづった『モーターサイクルダイアリーズ』のウォルター・サレスで、サンダンスとNHKの支援のもと製作され、ベルリン映画祭で作品賞を受賞。ブラジル映画としては初の海外映画祭グランプリと。

 人ごみで混雑する中央駅で代筆屋を営むドーラはとある子連れ女性に代筆を頼まれた直後、その母親が交通事故でなくなり、残された少年を見捨てきれず家に連れて行くも、少年を業者に売ってTVを買う。しかし少年を売った相手が臓器売買のブラックマーケット絡みであることがわかり少年を救出。少年の母の書いた手紙の住所をたよりに少年の父親探しのため長距離バスに乗る。途中、ドーラは気のいいトラックの運転手に恋をし、なれない口紅を付けて手洗いを出るもその男は行ってしまってた。ドーラを慰めるジョズエ。ドーラは中央駅にいた序盤から、代筆してた手紙は捨てていたなど、荒んだ気質を表しており、ジョズエとの道中でも幾度かジョズエをその場において帰ってしまおうか、となるのだが。ジョズエの純真さに徐々に心洗われていく。父親は見つからず、金のなくなった2人だったが、ジョズエの機転でドーラの代筆屋をはじめ小銭儲けに成功。そして、最後の手がかりを求めとある団地に到着する…

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2011年01月09日

全身麻痺にてつづる思い

潜水服は蝶の夢を見る
ジュリアン・シュナーベル
11.0107chou-no-yume.jpg★★★☆☆

 モヤがかった主観の映像。病床で見た医師や見舞の人らの顔が瞬きと揺らめきの合間で映されていく冒頭。ミステリアスで新鮮な仕掛け。自由にならない体だが、左目が窓となり社会と少しずつつながっていく。絶望感の中身見いだされた希望の光。様々に蘇る想い出と幻想(蝶の夢)に踊る思いが交錯する。序盤の映像主義的描写も、徐々に現実に寄せたモノとなってバランスが取れる。病苦を表すものなれど、感動のストーリーに仕上げるでもない乾いたスタイル

 パリの有力ファッション誌編集長が突然の脳溢血により全身麻痺になり、病院の療法士らのサポートにより体の中で唯一自分の意思で動かせる左目の瞬きにより執筆活動に至る流れを本人主観でつづるつストーリー。原作は実話の小説。読み取り人が付き添い、アルファベットを読み上げ、左目の瞬きにより文字を一字一字拾い上げる途方もない作業の末に書き上げたノンフィクション自伝。そのものが映画化で、意識は普通にハッキリしていながら体の自由が利かないもどかしさ、やるせなさを映す。本人主観ゆえに皮肉屋の本人のさまざまのつぶやきがモノローグで語られる。左目のアルファベット拾い上げも最初はもどかしくて疲労も多く、本人はいやがっていたが、ふとある時、本を執筆する契約があったのを思い出し、この手法にて書き上げることを発案。それまで死にたいとして内向きだった心に希望の光が差し込む。

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posted by nyony at 11:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | '11CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月04日

ドラマ続編、最終決戦の行方

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
松山博昭
11.0103liargame.jpg★★☆☆☆

 テレビドラマ『ライアーゲーム』のストーリーを受け継ぎ、映画版として最終話、最終決戦の舞台。巨額の賞金がかかっただまし合いのゲーム「ライアーゲーム」でこれまで勝ち抜いてきたプレイヤーが最後の舞台として集められた孤島。展開されるのは"エデンの園ゲーム"で、参加者11人がそれぞれ個別に赤、シルバー、ゴールドの3種あるリンゴから一つを選んで投票し、例えば全員が赤を選べば全員に1億円が加算されるなど細かなルールが決められており、これが13回繰り返されるもの。全員が最後まで赤に投票し続ければ全員に13億円となるのだが、例えば11人いるうち一人だけが違う物に投票すればその人が得することや、最終的に1人の優勝者に50億の賞金が下ることから、だまし合いの心理ゲームとなる進行。
 ここではバカ正直というキャラ設定の女子大生、神崎直(戸田恵梨香)が皆に赤を入れようと説き、皆がそうしようと合意しながらいきなり初回からそうはならずプレイヤー間で損得ができ自体混迷。直の精神的支柱としてゲームに参加してるヤマ師秋山(松田翔太)は特に今回ゲームに潜り込んだとされる「最強の刺客」“プレイヤーX”を特定することに心血を注ぐ。果たして2人の運命はいかに。

 テレビで長いスパンをかけて見るのとは違い映画では2時間と限られるために、ゲームの種類が1つしかなく、その分の変化のなさがテレビシリーズの小気味良さとは違う。特に映画である必要もなさそな感触。ゲームの裏をかいた勝負となるが、あまりに無理矢理な裏のかき方ゆえにのめり込めない

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