2018年08月31日

低予算、究極の娯楽作品

■CINEMA NEW■
カメラを止めるな
上田慎一郎
18.0830kame.jpg★★★★★

 話題の邦画は噂に違わぬ爆発的な面白さ。おそらく小演劇系の人たち中心であろう無名の演者達を従え、作りはいかにも低予算。なのだけど、意外や意外、究極のエンタメ作に仕上がってる。冒頭のワンカット長回し。廃墟でゾンビ映画を撮っていた撮影隊がリアルなソンビの襲撃にあうB級ホラー映画な仕立てなのだが、そこから意外な展開を見せる、周到なストーリー。自分もそうだったが、前提情報抜きに見にいったほうが数倍楽しめるハズのすざまじい展開力。すべてに布石がありトップから見逃せない仕立て。映画の醍醐味、超娯楽作なのだが、なんとも言えぬ観後感、余韻をも楽しめる奇跡の作

 監督はこれまで短篇を中心に自主ものを撮ってきた無名の人。今作は、監督がとあるきっかけで観た小演劇から着想を得て温めたストーリーでもって、役者を集めワークショップをし脚色、クラウドファンディングにより配給にこぎつけ当初は2館での上映。その後口コミや数々の映画賞受賞で話題を呼び200館に上映拡大した、世にもめずらしい出世作品。

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2018年08月16日

アナログなアクション盛り

■CINEMA NEW■
ミッション:インポッシブル フォールアウト
クリストファー・マッカリー
18.0816Fallout-.jpg★★★☆☆

 スパイ映画定番シリーズでトムクルーズ主演もの6作目。アクションに継ぐアクションは今作でも盛りだくさんで、特にCGを使わずにトムクルーズが「生身」でチャレンジしていると報道で聞くが、それを疑いたくなるようなど迫力シーンが連続。ダイビング、バイク乗り、ただ単に走る、などと比較的アナログなスタイルが逆に印象的

 盗まれた3つのプルトニウムがテロ機関に渡らぬよう回収するのがイーサン・ハント(トムクルーズ)らへの指令。しかし早速奪われ追跡開始。アクションの最初の目だまは軍用機からの大ジャンプで、雷つんざく雲の上、成層圏から大滑空でパリのグラン・パレへ着陸。しかも滑空の間、敵か味方かもわからぬCIAから帯同命じられているウォーカーなるエージェントの酸素マクスのトラブルを解決。着陸してからは、トイレで空拳での大格闘。追跡していた相手をようやく倒すも顔をコピーして成り変わる予定が、意外な助太刀が入ったことで当の顔がつぶされて自らのままでジョン・ラークなる人物に成り代わるが、これで話が相当ややこしくなるといったストーリー。

 続いて今作の分厚いアクションパート、パリの街(観光地)をバイクで大逆送しての逃走シーン。さらにパリの屋根の上、パルクールばりに屋根づたいに疾走&大ジャンプ。これの撮影でケガを負い入院したといわれてるシーンも使われているそう。
 ラストはカシミール地方(インド北部)と設定されたニュージーランド・ロケでのプルトニウム起爆装置を回収するための下り、空中でヘリを奪い、慣れないヘリ操縦で大追跡のスーパーアクション。これも実際に操縦していると。
 全体2時間半近くの長尺だが眠くならない

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2017年12月20日

フォースのつながり

スター・ウォーズ エピソード8:最後のジェダイ
ライアン・ジョンソン
17.1219STARWARS.jpg★★★☆☆

 シリーズ8作目で新たな3部作の2作目。老人となり隠遁生活を送っていたジェダイマスター、ルーク・スカイウォーカーが新3部作のヒロインであるレイにフォースを指南する流れ。その際、ルーク隠遁の理由が明かされる。そこでは息子であり、悪玉側ファースト・オーダーの戦士となってるカイロ・レンが、祖父のダースベイダーと同じ暗黒面に堕ちゆく経緯が知れる。この物語「スターウォーズ」とは名ばかりの、家族の戦争なのである。
 そして今やレイヤ姫=レイア・オーガナ将軍が率いる形になってる善玉側レジスタンスは、ファースト・オーダーにどんどん追い詰められ、レイの帰還待ちの様相。ハン・ソロ(ハリソン・フォード)は前作で死んでおり、今作で善玉側戦いの中心となるのは黒人戦士フィンと、新キャラでアジア系整備士ローズ・ティコ、そしてドロイドのBB-8。ド派手なアクションシーンは通常運行で盛られている。3人はギリギリをかいくぐり適地への侵入をはかる
 あとはフォースのつながりを示す、テレパシー的な通信が強調され、時に場所を超えて彼らをつなげる。フォースを身につけつつあるレイ。ルークら家族との関係が匂わされるが…

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2017年12月02日

ブレードランナー後日談

ブレードランナー 2049
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
17.1201Blade.jpg★★☆☆☆

 長尺ゆえの間延び感か、印象としては途中眠気を催すようなスローテンポさ。闇(黒)と光(白)が強調されたモノクロの質感で、アーティスティックな装い。前作で印象的だった、野外の巨大ビルボードはホログラムとなり3D化された。ここでも色彩感が薄い。夜の都会は広告自体を少なくさせ、より一層「漆黒」に描写。テンポは重く、かといって薄味な感覚もある。音楽で言えば、本家『ブレードランナー』を元ネタとしての「リミックス・テイク」のような、似たもの感。例えば『スターウォーズ』が『ローグ・ワン』として復活し、それを観た時の高揚感は皆無で、何か別物な印象。より観念的で抽象的

 伝説の映画『ブレードランナー』の続編で、前作の後日談がつづられるストーリー。『LA LA LAND』の“ライアン・ゴズリング”演じる新ブレードランナーが任務遂行の中で、気づいた自分の出生の秘密。レプリカント(人造人間)であるはずの自分は、あるいは人間の子だったのか。そして、追っていた、前作のブレードランナーで前作同様ハリソン・フォードが演じる「デッカード」にたどり着き、物語の真実に迫る。終盤はアクションシーンも多数。

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2017年02月28日

クラシカルなラブストーリー

ラ・ラ・ランド
デイミアン・チャゼル
17.0227lala.jpg★★★☆☆

 USアカデミー賞では作品賞取り違え珍事に飲まれた今作。観後感は、全体高評価を受けていた先入観からすると、拍子抜けするくらいに、ベタでシンプル、よくある風な古典的ラブストーリー。けど、そんな古典=普遍が郷愁として受けたのか、確かに誰しもが感じる「切なさ」が込められていてうまくできたストーリーではあるかな。ミュージカル仕立てにはなっているが、あくまでセリフ芝居を主に組み立てられている。ストーリーの古典性ともに、古き良き時代の映画へのオマージュも込められていて映画愛にあふれた演出

 舞台はLA。偶然が重なった出会いから恋に落ちる2人。女は女優の卵で、オーディションに通うカフェのアルバイター。男性は売れないピアノマン、ジャズピアニストを目指すも、どちらかというと古典系ジャズを志すゆえに仕事の口がない。いつか自分の思い通りの曲が弾けるライブハウスが開けることを夢見る。2人は最悪の出会いから、徐々に融解し、情熱の夕暮れのダンスシーンへ。やがて、すれ違い、別れ。そして…

 2人の最初の出会いの場となる、オープニングのハイウェイでのダンスシーンや、広くダウンタウンを見下ろす場での夕暮れダンスシーンなど印象的な場面は多い。

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エマ・ストーン、アカデミー「主演女優賞」

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2017年02月05日

シリーズを補完するストーリー

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
ギャレス・エドワーズ
17.0204Rogue.jpg★★★☆☆

 女戦士ジン・アーソとその仲間たちによる巨大勢力への反乱を描いた特撮アクション大作。ほとんどが新キャラのため、前半は関係をつなぐのに頭を取られストーリーがわかりにくいのだが、ラストへ向けては、なんとなく話がつながり、さらに物語も最高潮を迎えて、話に没入できてくる。評判にあった「泣ける」感覚はあまりなかったのだが、これはこれでシリーズ作として違和感ない作り。
 『スター・ウォーズ』の世界観そのまま現代映像技術でやったらこうなる的迫力満点の宇宙戦争。物語はシリーズ初回作でエピソードとしては4番目となる話の前段を描いた、既存ストーリーをさらに補完する様なつじつま合わせのもの。主要キャラはこれまでの人たちとはちがうけど、帝国軍との攻防に重要な役目を果たした反乱軍の戦士たち。そしてそれらのキャラ達は、ストーリー「4」とのつながりから、存在を残しておけないため非業の死が運命付けられた悲しさを背負っている。

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2016年11月08日

時と場所を超えた切ないストーリー

君の名は。
新海誠
16.1105kimino.jpg★★★☆☆

 大林映画尾道三部作を掛け合わせたようなプロットで、男女入れ替わりと時と場所を超えた壮大で切ないラブストーリー。めまぐるしくスピード感ある時系列。それはやがて2人に差異があることが判明するが、このことでわかりにくさ生み、同時にファンタジーさまぶし混むことにもなる複雑図式。序盤からのスピード感は”RADWIMPS“なるバンドの挿入歌とともに怒涛の推進力を発揮する。女子の方は田舎暮らしで神職を継ぐものとしての設定を得て、その辺しっとりと描かれるためにいい感じの緩急につながる。夜空に映った幾筋の流星の軌跡が幻想的で、その流星が物理的にストーリーに大きく影響することに。東京の風景描写は具体的で、おそらく実写を下敷きに書き起こしたであろう風景アニメーションが至極美麗。
 大ヒットに押された観たが、アニメ映画としては細田作品に少し及ばぬか。

 飛騨の奥地に住む女子高生と東京の男子高校生の体が不定期に入れ替わるうち、お互いを意識し始めるも、とあるきっかけで入れ替わりがなくなる。恋しさつのり男子は相手に会いに行くが、そこで思いもよらぬ展開が巻き起こる

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2016年03月22日

火星にひとり。究極サバイバル

■CINEMA NEW■
オデッセイ
リドリー・スコット
16.0321Martian.jpg★★★☆☆

 とても抑えの効いた映画という印象。この手のモノはとかく激情方向、泣かせの演出となりがちだが、なんとも淡々と展開し、過剰な感情表現が入らず、こと序盤でストーリーがスイスイ展開していくので食いつくせ方がいい。何分、絶体絶命のパニックムービーなのだが、割りに軽快に描かれているよう。火星の取り残された役で主演のマット・デイモンのかもす頼もしげな雰囲気が全体のルックに影響しているか。監督は『ブレードランナー』のリドリー・スコット。まだまだ現役でさえた演出をされている。CGなど目新しさは見えない、むしろリアルでこなれた演出で渋みのある映画になってる。

 火星地表でクルーらが探査の最中、突然の嵐が襲い、資材の激突で吹き飛ばされ行方不明となったクルーの一人、マーク・ワトニーを火星に残し脱出を図った探査隊。だがマークは死んでおらず、探査のために残した食料や機材でサバイバルを始める。植物学者であるマークは試行錯誤の末、ジャガイモ栽培に成功、4年後の次回探査まで食いつなぐことへの道筋を画策する中、地球との通信方法も確保し無事を伝え、NASAは救出のためミッションを始動するが…

→official http://www.foxmovies-jp.com/odyssey/

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2016年03月11日

8人が繰り出す憎悪劇

■CINEMA NEW■
ヘイトフル・エイト
クエンティン・タランティーノ
16.0310Hateful.jpg★★★☆☆

 猛吹雪により避難場所として山小屋に集った8人が繰り広げる人間模様、会話劇、サスペンススリラー。過酷な雪山、暴風ロケにタランティーノ監督得意の殺し合いスプラッターも交えて豪華な仕立てだが、期待を超える見応えとまではいかなかった。単純でわかりやすいストーリーだけど、全体3時間、前振り部分が長すぎで肝心の中身が意外とあっさりと事が進み、ラストはことさらあっけない。過剰な期待は禁物である
 タランティーノ、長編8作目でタイトルそのまま、8人が繰り広げる憎悪のサスペンス劇。アメリカ産時代劇、西部劇仕立てのルックスは、50年ぶり復活させたという超ヨコ長画角70mmフィルムカメラ、ウルトラパナビジョンによる撮影でレトロな臨場感たっぷり。単なる殺し合いとならず、タランティーノ映画特有の言葉数多めの会話劇や意外性ある仕掛けがたっぷり味わえる充実ぶり。

 アメリカ、南北戦争から数年後の西部の山間。猛吹雪に追われている駅馬車に乗り合わせた罪人目当ての賞金取りが2人、サミュエル・L・ジャクソン演じる元北軍少佐とカート・ラッセル演じるジョン・ロス。ロスは女盗賊のデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を捕らえておりこれから首つり処刑地として知られるレッドロックに連れて行くと。途中、自称新任保安官という男も同乗。馬車駅となってるミニーの紳士洋品店に退避するが、女主人は不在で、常連の少佐が知らぬ男らが複数いて、少佐とロスは警戒。8人の緊張感ある夜が始まる

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2015年12月23日

最新007、弩級アクション

■CINEMA NEW■
007 スペクター
サム・メンデス
15.1222Spectre.jpg★★★☆☆

 いつも同様、さらにパワーアップしたアクションシーンが立て続くエンタメ作。今作ではメキシコの祭典「死者の日」を舞台にした建物崩壊からの切り抜け、大群衆とすれすれ低空飛行ヘリ内での格闘とド派手に幕開け。敵の真髄に近づくにつれ、幼き日の事実を知らされるジェームズ・ボンド。絶体絶命を次々切り抜けるタフガイだが、今作では行きがかり上、道連れとなったマドレーヌと恋愛模様がの厚めにつづられる。2人のボンドガールの内、イタリアパートでは“モニカ・ベルッチ”が、そして後半からボンドと道連れるマドレーヌには仏女優、“レア・セドゥ”が当てられる。
 所属する諜報機関MI6が解体の危機にさらされるが、これで結束を高めたボンド一派。仲間のM、Q、マネーペニーらの後ろ立てにより、敵との死闘をギリギリで切り抜けるジェームズ・ボンド。今作ではQによる、特装車(ボンドカー)のギミックも復活。説明を聞かずに乗り込んだボンドは、敵とのカーチェイスの最中にそれらを試すといったとぼけた仕掛け。マドレーヌとの出会いとなったアルプスの雪山では小型飛行機に乗り込んだボンドが両翼をもがながらも敵を急追。南アフリカの豪華列車内では夜間走行中に格闘。これらは過去シリーズ作へのオマージュも込められていると。とにかく内容盛りだくさん系

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2015年12月22日

スター・ウォーズ復活

■CINEMA NEW■
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
J・J・エイブラムス
15.1219SW.jpg★★★☆☆

 大メジャー宇宙活劇ドラマの復活作。戦闘シーン特撮シーン オンパレなテイストに、通奏する家族の物語が踏襲されて、まあその世界観てんこ盛りで過剰なばかりの構成、なのだが、そんな世界観に慣れてくると、記憶にあるこのシリーズの空戦の迫力では過去作に微妙に劣るような気もしてきた。なにしろ衝撃作だったこれまでのシリーズ。オリジナルキャラクターが大挙出演で、懐かしさだけで十分楽しめる。

 今作では新たなヒロインとして、レイが登場。副題となった「フォースの覚醒」とあるが、フォースが覚醒するのはそのレイで、今作でも大活躍するハン・ソロ(ハリソン・フォード)ら主要人物との関係がなんとなく明かされる。レイは、若き日のルークのような駆け出しの勇者で、自分の居場所であるジャクーで何かを待つ身であるのだが、ストーリーは彼女をいろいろ翻弄してく。また新キャラとして黒人のフィンが登場。レイと結ばれる友情が一つのキーストーリーとなる。
 
 1度完結したはずの「スター・ウォーズ」はディズニーによる買収で復活し今作上映に至った。物語としては、エピソード6から30年後の設定で、今作はエピソード7にあたり、今後2年おきに3部作の残りが上映されると。

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2015年09月02日

バケモノ世界で育って

■CINEMA NEW■
バケモノの子
細田守
15.0901bbk.jpg★★★☆☆

 9歳の孤児が渋谷の路地裏から異世界へと迷い込み、とある師と出会って成長する物語。同監督の前作『おおかみこどもの雨と雪』とタイトルが似ていたので関連する話を想像していたが、全く別箇のストーリー。父と子の関係を多重に描きながら、人の心の闇の具現化に挑み、終盤で巨大スペクタルを成り立たせたエンタメ作。しかしこれまで監督の作品(全てが名作なのだが)『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこども』と比べると少し見劣りするのは、設定が複雑すぎたか。それらを説明する仕掛けも多数あるがストーリーとしてこなれてない感じ。冒頭の物語の背景説明ですでに気が遠くなってしまってうまく入れなかった感はある。

 孤児の九太は、親と別れ、親類を拒絶し渋谷の裏町でとある出会いから、バケモノの世界へとスリップ。その世界で剣の達人なれどアウトサイダー、熊徹を師とする。九太と熊徹は互いに憎まれ口をたたき合う奇妙な師弟関係を築くが、九太の技は確実に上達。久太が17歳になるとふと人間界へ戻ることができ、そこではとある女子高生と楓との出会いでこれまで人の世で生きてこなかった穴を埋める。人世界、バケモノ世界両方を行き来できるようになるが、熊徹とは相変わらず喧嘩腰の関係。人世界では実父と再会するがうまく関係を築けずにいると、師匠、熊徹と師匠のライバル猪王山との雌雄を決する試合が行われ、久太はある行動に出る。

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2015年08月17日

M:I-5のアクション性

■CINEMA NEW■
ミッション:インポッシブル/ローグ•ネイション
クリストファー・マッカリー
15.0816MI.jpg★★★☆☆

 トム・クルーズ主演のスパイアクションのシリーズ物「ミッション:インポッシブル」最新作で5作目。毎回めまぐるしく展開する弩級アクションがウリだが、今回も相当にぶっ飛んだ仕掛けで見所多い。まずは冒頭の軍用機ぶら下がりで、これはCGや吹き替えなしでトム自身が演じて話題に。ほか、毎度のカーアクションの他、バイクでのチェイスシーンで、普段からバイク愛好家というトム得意のアクションでコーナー攻め。ほか今回のスペシャルで水中での格闘。これは追っているシンジケートのシークレットデータがモロッコの発電所内水冷施設にあるとして、高速水流を伴った巨大水槽内でのデータ架け替えに挑む。ここでトム演じるエージェント、イーサン・ハントは絶命の危機にさらされるが、ここに今回ヒロインのイルサがここに関与してくる。

 所属する諜報組織が解体の危機で罪人として追われる中、イーサンは一人奮闘、追って仲間が自然集結し悪のシンジケートに立ち向かうチームワークが躍動する。プラス今回美女ヒロイン、イルサが敵か仲間か曖昧なままイーサンと共闘関係で突き進む。イルサ役の女優、レベッカ・ファーガソンは大作ハリウッド映画ヒロインクラスの出演は初めての新星と

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2015年02月09日

巨匠ゴダールの3D遊戯

■CINEMA NEW■
さらば、愛の言葉よ
ジャン・リュック・ゴダール
15.0208Godard.jpg★★★☆☆

 遊び感覚にまみれている。まずはいつものタイポ=文字の遊びでは、一部の赤文字を手前に飛び出させる。冒頭「ADIEU」と来る。タイトル「Adieu au langage」=さらば、言葉、とあるので、言葉への別れがいきなり突きつけられるが、この後、いつもの膨大な言葉、引用文が立て続くので、あてにならぬ。ストーリーは相変わらず初見で見通すことはできない。なにしろ部屋シーン、野外シーン限らずに3Dならでは飛び出感、奥行き感が強調される構図を意識しており、ここいらは遊びの最たるもの。
 男と女、そして暴力が間接的に描かれる。そして犬。これは現在スイスに住むと言われるゴダールの愛犬らしいが、物語にからむかからまぬか一定の距離を置いてさまよう様子が切り取られる。その他、音声を含めたイメージのコラージュ、応酬はいつも通り。
 左目用の映像と右目用の映像をダブらせた3D映画。しかしこれを逆手に取ったか、全く別の被写体をダブらせた下りもあり、これは思わず自分の目がおかしくなったか、思わずメガネを外して確認してしまうなど混乱させる。これも遊戯の一つ。そんな色んな試みに満ちていて、そんな仕掛けを楽しむというのも1つある

 officialサイトの撮影監督のインタビューによると、カメラはキャノン5DマークUを使用。手作りの木枠で2台のカメラを固定し撮影。編集はゴダール本人。PCを使わず、DVCAMのビデオデッキでリニア編集だそう。今となってはある意味新鮮の域

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2014年12月20日

ジュネ監督のアメリカ旅

■CINEMA NEW■
天才スピヴェット
ジャン=ピエール・ジュネ
14.1219Spivet.jpg★★☆☆☆

 『アメリ』や『デリカテッセン(共同監督)』などキッチュで技巧的、エスプリの効いた名作が多いジュネ監督の新作は、アメリカを舞台にした少年の半ロードムービー。「半」としたのは旅立つまでで映画半分位経過するから。旅立つ背景描写にたっぷり時間が費やされる。アメリカの北西部のいかにも「ウエスタン」な地が少年のホームタウンで、時代錯誤のカーボーイフリークの父親がいたりもする。どちらかといえば、非アメリカ的作風であったと思しきジュネ監督がアメリカに挑んだ作品。しかしそこがどうにも違和感がありありで個人的には最後まで入り込めずにいた。調べれば、ジュネ監督は過去に「エイリアン4」の監督に抜擢され、編集権でトラブルがありハリウッド系との遺恨を残しているという。実際の今作はほとんどのロケをカナダでしているともいう。わだかまりを持つアメリカをわだかまりのままに描いた、モヤモヤが底にあるのかもしれぬ。ジュネ監督作常連のドミニク・ピノンが英語を話しているのが不思議な感覚。

 少し風変わりな家族に囲まれ、やっぱり風変わりに育ってしまった少年T・Sは双子の片割れを事故で失い、それにまつわるトラウマを背負いながら、自分が発明した永久機関に対する学術賞受賞のスピーチのために遥かワシントンD.C.へと単身向かう。映画後半はその旅路。どでかいトランクを引きずりながら大陸横断鉄道に忍び込んでの冒険譚。ドミニク・ピノンはその中で出会うホームレス役で少年に含蓄ある言葉を投げる。少年は無事ワシントンに到着しスピーチ登壇となるが…

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2014年12月18日

失踪か殺人か弩級ミステリー

■CINEMA NEW■
ゴーン・ガール
デヴィッド・フィンチャー
14.1217gone.jpg★★★☆☆

 とある夫婦の愛憎劇、なんだろうか。まるで前提知識が無く観たが、めまぐるしい展開に釘付けなった。幸せだったはずの夫婦に何が起こりどうなっていくのか。まずは夫婦の妻の方の失踪から物語は始まる。その時点から2人の過去にさかのぼり事態の背景が明かされていく。2人のなれそめ、NYから夫側の故郷であるミズーリ州に移った理由。そうした中で失踪事件は妻の捜索騒動と化す中、TVのワイドショーネタとなり、徐々に夫に嫌疑がかかるようになる。妻を殺した?
 過去、現在、そしてまた夫婦それぞれの主観的なものと時間軸が色々交錯する。その点ついていくのが大変だが、次第に気にならなくなる。事態は意外な方向へと進むのだが、クライマックスと思う所から、また新たな展開が始まり、最後はやはり意外な結末を迎えるが、結末がないともいえる。
 主演の夫役は現在監督業もこなすベン・アフレック。彼の存在が色々ぬり変わる部分が見どころ。妻役はロザムンド・パイクで過去にボンドガールもしたことある英国役者。監督は『セブン』『ファイト・クラブ』などのデヴィッド・フィンチャーで、音楽PV系の仕事もかなりこなしている音楽通ゆえの音楽使いも聞き所。

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2014年11月28日

トリアーのロードムービー悲喜劇

■CINEMA NEW■
ニンフォマニアック 第二巻
ラース・フォン・トリアー
14.1023Nympho2.jpg
★★★☆☆

 前後半ある2部作の後半。主人公の女性、ジョーが自らの性的半生を語る回顧録。ジョーを演じる女優がステイシー・マーティンからシャルロット・ゲンズブールに変わる。このところトリアー監督映画の常連となっているシャルロット。赤裸々なジョーの話に理屈っぽいツッコミを入れてくセグリマンだったが、ジョーの攻撃性はセグリマンの女性経験のなさをあばくことに。ここからこの2人の関係性も少し変わっていくようにも見えたが、主要コンテンツはジョーの回顧録。ジョーの性の旅路は更に飛躍してく。
 初恋の男、ジェロームとの間に子ができるが、もはや感覚がないとはいえ有り余る性欲を外へ向けることをジェロームは公認、ジョーはたまたま見つけた黒人との奇妙な情事に及ぶ。さらにサディストとの恋愛を経てジェロームと子と別れる。性依存症を断ち切る集会に出て自分を変えようと試みるが、かえって自分の本質に気づくことになる。その後なぜか取り立て屋となり成功、とある女性を保護する中で同性愛的な関係を築くが、この2人の関係が、最後、そもそもなぜジョーが道端で傷だらけで倒れていたかにつながることになる。そして最後、ちょっとしたオチがついて、おかしなおかしな喜劇の幕は閉じる

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2014年10月25日

母に捧げる自伝風刺劇

■CINEMA NEW■
不機嫌なママにメルシィ!
ギヨーム・ガリエンヌ
14.1024Guillaume.jpg★★★☆☆

 フランスの元々は舞台俳優のギヨーム・ガリエンヌによる自作自演、監督も自分と、フル回転で打ち当たった自伝劇。自ら演じ大ヒットした舞台を映画に置き換え、これまた本国フランスでヒットを飛ばした。舞台の焼き直しということで、ピンスポ当たる舞台で独り語りするのを軸に各エピソードを連ねていく流れ。ママへの憧れから少し女っぽく育った「ボク」の様々な苦難の道行きを打ち明けていく。ママを演じるのもギヨーム本人で、少しおどついた「ボク」といつも不機嫌だけど慈愛深い「ママ」の演じ分けが完璧。舞台の感覚をそのまま活かしているため怒濤のセリフが詰め込まれた構成で少し食傷気味にもなるが、コメディ仕立てで見やすく整えられてる

 パリの裕福な家庭、男兄弟の間で育ったギヨームはママへの憧れと、ママ自身の女の子が欲しかったと言う思いもあってか少し女の子っぽく育ってしまう。パパはそんな息子を鍛え直そうとし男子校へ入れるがなじめず、イギリスの寄宿学校へ転校。そこでは男性生徒に失恋し。その他スペインへのフラメンコ旅行や、ドイツへのどっきりスパ体験など、冒険、旅情、人情とたっぷりコンテンツで自分探しを描いてく

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2014年10月17日

ビョークの宇宙。ライブシネマ

■ARTIST CINEMA■
ビョーク:バイオフィリア・ライブ/ニック・フェントン、ピーター・ストリックランド
14.1016Biophilia.jpg★★★☆☆
 
 アイスランド発、希代のアーティスト、“Björk/ビョーク”によるライブフィルム。2011年リリースのアルバム『Biophilia/バイオフィリア』に連なるライブツアーで13年9月のロンドンでのライブを収録。円形舞台に上部に映像モニターをしつらえ、「Biophilia」のコンセプトらしき、音と空間、細胞と宇宙、ミクロからマクロまでを壮大にとらえた映像群と共に進行する神秘的ステージ。ビヨークは赤系極彩色の巨大な綿帽子のようなウィッグと筋肉じゅばんにも見える衣装。パーカッショニストと電子デバイス奏者の2人にアイスランドの女声コーラス隊を従えた面子。アコースティックであり至極エレクトリックでもある独特のミクスチャー感はもはやジャンルとして「ビヨーク」としか形容できない音楽観。今作ではライブ風景と現場で流れた映像を有機的に混濁し不思議で奇怪な世界観を成立させた。
 ビヨークの歌声がすべてを統率。コーラス隊がメロディに厚みを与え、新種の楽器、新版の音源、それらを制御するテクノロジーなどとともに異界の音楽を形成。ライブ映像は生き物の細胞をとらえ、物質の結晶、海の神秘、植物の成長、未開の大自然、マグマ沸き立つ大地の割れ目、海洋、気候、宇宙を描き出す。未知なる祝祭の場に

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2014年08月29日

よみがえる記憶と媒介師

■CINEMA NEW■
ぼくを探しに
シルヴァン・ショメ
14.0828Attila.jpg★★★☆☆

 少年には遅く、中年には早い年頃の、孤独な男ポールの記憶をめぐるストーリー。ある時、人の記憶をあやつるおばさん、マダム・プルーストに出合い、彼の単調な生活が一変した。
 小さなアパルトマンを舞台にした、いかにもフランス映画らしい小粋で深みのある話で、物語はゆっくりと、しかし段々加速度をつけて急転していく。ポールの記憶がよみがえる時、大抵は子どもの頃の自分の目線だが、人々は歌い、というかミュージカル仕立てに演出がされた光景が広がる。
 プルーストの名著『失われた時を求めて』の一節、マドレーヌを口にしたとたん幼い日々の記憶がよみがえる─を引用した組み立て。マダム・プルーストがポールに与えた怪しげなハーブティーとマドレーヌを口にしたとたん、ポールは卒倒し記憶の世界へと飛び出す事に。

 2人の叔母と小さなアパルトマンで暮らすポール。幼い頃両親を無くしその時のショックで口がきけなくなっている。ポールにピアニストになってもらおうと叔母たちの英才教育を受け育ち、今は叔母たちのダンススクールで伴奏をして日々暮らしていたが、記憶への旅が日々始まったとたんにポールは、幼き日の真実を目の当りにし、ある日両親の死にまつわる衝撃的な光景を目にする事に。ポールの保護者である叔母たちはポールの異変に気が付きマダム・プルーストへの攻撃が開始され、ポールが再びマダムに会う事は無くなった。しかしポールはもう以前のポールでは無くなった。

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2014年08月28日

少女が出会った青目の少女

思い出のマーニー
米林宏昌
14.0827mani.jpg★★★☆☆

 少女2人の数奇な出会い。運命のごとき出会いをした2人は短い友好の時間を過ごし、やがて互いの関係が知れる。少しミステリーじみた切なきストーリー。

 東京から北海道へ、養母の親戚を頼り夏休みに喘息での静養で来た少女アンナ。これまで回りからの疎外感を持ち養母へのわだかまりを抱え内向志向のアンナは、その地でも地元の子どもらとうまく関係できず、彼女らから逃げ出し、ふとたたずんでいた浜辺で、入江の向こうに印象的な洋館があり、そのまま吸い込まれるように、そこにあったボートに乗りその洋館に向かった。そこで迎えたのはマーニーで、あなたに会いたかったと言い。2人は不思議は出会いをとげる。毎日夕方その屋敷ヘ行くアンナ。時に洋館では大勢ゲストが集まりパーティーが開かれていることも。しかしアンナは少しマーニーの記憶が消えかけた時、既にその洋館には別の家族が引越していた。マーニーはもういない。洋館の新しく入った家族の少女はマーニーの古い日記を見つけアンナに見せる。アンナとマーニーの関係が次第に明らかになってく。

 ジブリの新作。『借りぐらしのアリエッティ』以来4年ぶりの監督となった米林監督作。美術監督に本編映画では美術の第一人者、種田陽平を起用したと。起用の効果がイマイチ伝わらないのと。美術監督を外部委託したせいか、背景がリアルになった分、人物のデフォルメ感とそぐわない感じもした。
 全体の印象としては、ネタバレをしないで観に行ったせいもあり、謎に引き込まれていく吸引力は感じられた。最後はストーリーを無理矢理に収めた感じ

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2014年08月27日

ある種のドキュメンタリ

リヴァイアサン
ルーシァン・キャステーヌ=テイラー, ヴェレナ・パラヴェル
14.0826Leviathan.jpg★★☆☆☆

 魚たちの断末魔の叫びが聞こえてきそうな荒涼とした厳しい画面が連続する。単に漁船内の仕事を記録したものか。据え置きや漁師の目線で取り付けられたカメラは時に、奇跡的なアングルを捉え不思議な感覚にとらわれる。それらが延々タンタンとモンタージュされ、船酔いの感覚とともに何か哲学的なものを感じるに至る不可思議さ。ある種究極のドキュメンタリともいえるが、あまり観後感は良くない。
 かつては捕鯨の拠点ともなっていた、NYの北に位置する港町、ニューベッドフォードから出航された漁船に同乗。11台のGoProでとらえられた漁労の記録。底引き網の漁船らしい。カツオ大の中型の魚やエイ、帆立系の貝類など。最初は夜の船内。窮屈なアングルで漁獲の魚が超アップで映し出される。暗闇の中で実体はわずかにギラリと光るのみ。何かグロテスクな物体がうごめく。やがて昼間となり。カメラはようやく広い風景を映し出してくれ息が付ける。
 写真にある鳥たちの群飛のシーンに覚えはない。アングルのほとんどは漁獲物や漁師らの接写、漁船を内向きでとらえてる事が多く、総じて窮屈なのである。観客にある種のプレイを強要しているような酷い状況が映し出される。しかしそこにリアルがある、と考えるのみ

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インタビュー

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2014年08月14日

http://www.futatsume-no-mado.com

2つの窓
河瀬直美
14.0813mado.jpg★★★☆☆

 南国、奄美大島の海沿いのまちを舞台に、高校生男女、2人を主人公にしたストーリー。沖縄と同じ、ユタ信仰のある奄美にて2人は、神とは何か、命とは何?と、大きな命題に向き合い、それぞれの家族にある葛藤を抱えながら成長していく青春もの。南の島の開放感と、爽やかな2人の存在感、それだけで絵持ちはする。カンヌ審査員も務めいまや大御所、国際監督となった河瀬監督が、いつものドキュメンタリチックな即興風演出で、有名役者も何人か登場しているにも関わらず、手だれておらず、新人監督のようなみずみずしい作風で仕上げた。こと今回はヌケがよく、シンプルなプロットで、普遍の真理を描いてる。

 高校生2人、男性の界人には、村上淳とUAの子、村上虹郎が役者として初芝居。実の父、村上淳も出演。高校生女子、杏子には既にキャリアある吉永淳。杏子の母は松田美由紀で地元のユタ役。母の死を目前に杏子は揺れ、界人にその思いをぶつける。界人は両親が離婚し母と2人暮らし。見知らぬ男を家に上げる母を軽蔑し怒りをぶつけるが、その母を言い分をおもんぱかって界人をなだめる杏子。ある台風の日、界人は母が家にいないのを知り強風の中、母を探す。いつしか杏子もそばにいる。
 映画の中で界人は東京に住む刺青師の父親(村上淳)を訪ね、なぜ母と別れたかを聞く。虹郎、実際の両親(村上淳とUA)も別れており、虚実入り交じりの面白構図に

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映画.com

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2014年08月08日

修道女の静かなる旅

イーダ
パヴェウ・パヴリコフスキ
14.0807ida.jpg★★★★☆

 古き良き時代の映画を彷彿とさせるモノクロの静謐な画面。行間を取った詩文のように、物語は言葉少なに進む。その場の音を聞かせるように、行間はたっぷりとってある。そして時折音楽が流れ、何か重要な「意味」を語っているように思わせる。叔母の家でレコードから流れるクラシックと、ホテルのホールでミュージシャンたちが演じるジャズ。クラシックとジャズが対比されるように。ドラマを展開させていく2人の女性も対照をなしている。そして、いつしか、音楽も女性たちもゆっくり混ざり合って、また別の「色」を生み出していく。

 1960年代のポーランドが舞台。孤児で修道女見習いのイーダは修道士となる前に唯一の親類、叔母のヴァンダに会いに行ったが、彼女に自分のルーツを知らされる。ユダヤ人として悲劇的な人生を送った両親。両親たちを知るものを訪ねる旅路に向かった2人は幾つかの出会いを重ねる。イーダはそれまで知らなかった外の世界に向き合い、ジャズと出会う。そして両親の事を知ったイーダは修道院に帰っていくが。

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2014年07月12日

その壮大なる趣味世界

グランド・ブダペスト・ホテル
ウェス・アンダーソン
14.0711bp.jpg★★★★☆

 「グランド・ホテル」と見まごうタイトルから豪華キャストでそのホテルに行き交う人々の人間物語がウエッティに描かれる事を予想していたが、いい意味予想からは外れた。豪華キャストではあるが、物語というか、まあ、物語も壮大ではあるが、まずは美的画づくりにやられる。そして切れ味はとても鋭くドライである。
 シンメトリーを基調とした絵づくりに繊細なこだわりを見せ、カラフルな色使いにキッチュでかわいらしいセンスを画面すみずみまで行き渡らせている。こだわりある美術設計。レトロ趣味で、ヨーロッパ調の味わい、強いイニシアチブで統率された映像世界は、これまで、ジャン=ピエール・ジュネ、テリーギリアムあたりの映像作家で成功していたが、新たにそのゾーンに達する作家が現れた。

 物語はかつて東欧あたりで栄えたグランドホテルでの事件を昔語りする主線。語るのは、騒動の主でかつてホテルの名物男だったコンシェルジュ、グスタヴ・Hに仕えていたベルボーイにて、現在は隠居の身のゼロ。老婦人転がしだったグスタヴ・H。そのおかげでホテルは栄華を極めたわけだが、とある婦人の殺人事件に巻き込まれてしまったグスタヴ・H。事件にまつわる謎を解き身の潔白をはらすため、ベルボーイのゼロとともにあらゆる場所へ乗り込み、追っ手から逃走する中盤からの流れ。途中からは加速度的スピードで駆け抜けるてん末だが、そこいらは既にホテルから離れ冬のヨーロッパを駆け回る展開に。壮大なミステリードラマではあるが、ベースはコメディ路線なので当りは優しい

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2014年07月11日

OSに恋して、その果てに

her 世界でひとつの彼女
スパイク・ジョーンズ
14.0710Her.jpg★★★☆☆

 人工知能を持ったOS(コンピュータ)に恋してしまった男の話。ナニよりも印象的なのは、今時あり得ないような純粋すぎる恋愛ストーリー、もそうなのだが、夕景をイメージしたよなアンバーな色調に染まる近未来のロスの都市風景で、ビルとビルの間を抜け走る空中トラムともいうべき乗り物から見た車窓風景が良い感じで胸打たれた。まあ、見た時は今時こんな所がアメリカにあるのか、と本気で思ってしまったが、あとで未来都市と知った。CGその他で加工したものだろう。リアルだった。
 
 映画は恋になやむ中年男の孤独と希望が描かれる。音楽ビデオ出身のスパイク・ジョーンズ最新作にて、その男の恋愛対象は人工知能という奇抜な発想。しかし、今や近い将来に現実となりそうな話ではある。テクノロジーがすすめば、人格として生身の人間より魅力的になってしまう、ってことは考えられる。

 代筆屋の男、セオドア(ホアキン・フェニックス)は妻と分かれたばかりで傷心の日々を送っていたが、ある日、インターネットの彼女・彼氏サービスに登録。交際の相手は人工知能を持ったOSだが、ちょいとハスキーで魅惑的な女声が応対してくる。会話の返しも妙で徐々に引かれていき、相手のOS=サマンサ(声=スカーレット・ヨハンソン)もまんざらではなく、2人はどっぷり恋に落ちる。ここからがスパイク・ジョーンズの真骨頂ともいうべき奇妙な展開を示す。OSはセオドアに会いたいといって、生身の体を代行する女性を見つけ、代行する女性は納得づくでサマンサ操られていく算段。しかしいざ出会ってみると微妙な三角関係が発生し事態は混乱。さらにはサマンサはOSとして「進化」をとげ、セオドアの考える領域を外れて進んでく。
 恋に狂うセオドアのやるせなさは果てしない共感を生む、だろう
 USアカデミー賞で脚本賞受賞と評価も高し

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2014年07月08日

ホドロフスキー幻の作品の事

ホドロフスキーのDUNE
フランク・パヴィッチ
14.0707dune.jpg★★★☆☆

 知られざる映画界の内輪話。お蔵入りになった超大作の、企画から頓挫までの顛末記。そしてその先で芽生えた新作について。監督自らが当時準備した詳細絵コンテとともに語られるドキュメント。映画にかける情熱がみなぎる作品
 かつて『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』などのカルト映画で名を馳せたアレハンドロ・ホドロフスキー監督が、1975年に企画したSF超大作映画『DUNE』 。世界的スタッフ、著名人キャストを自らかき集め、かつてない壮大なプロジェクトを始動し、映画製作の総本山であるハリウッドにに乗り込み、見事に撃沈。ハリウッドの制作者は映画人ではなく会計士や投資家だった、と切り捨てるホドロフスキー。集めたスタッフはその後「エイリアン」や「ブレードランナー」の美術として大成したギーガーやデザイナーのクリス・フォス、「2001年宇宙の旅」の特殊効果ダグラス・トランブルら。キャストはシュールレアリストにして画壇の巨匠、ダリをはじめ、映画界の巨匠オーソン・ウェルズ、音楽にピンクフロイドなどと著名人で、口説き落としたいきさつが語られる。美食家のオーソン・ウェルズには専属シェフを帯同させると約束し、アバンギャルドな美術家ダリの「燃えるキリンと象をだせ」との不可思議な要求をも約束。どんどんと企画はふくれあがり、総尺12時間。持ち込まれた撮影所もたまったものではなかろうもの。『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』など奇怪な映画の過去がある作家に企画のGOは出なかった。ホドロフスキーは企画の頓挫の後、漫画やその他タロット占いなど奇想天外、多様な活動を始動し映画からはなれる。そしてこのドキュメントで再会した当時のプロデューサーと意気投合し、このほど映画制作を再開。みずからの幼少期をつづった「リアリティのダンス」を完成させ(23年を経た復活作)、間もなく公開と

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2014年07月04日

血と色彩と役所広司

渇き。
中島哲也
14.0703kawa.jpg★☆☆☆☆

 『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『告白』など名作も多い中島哲也監督の新作。CM出の監督らしいポップな構図に大胆な編集、勢いのあるエンターテイメントでこれまでの映画に外れはなかったが、今作はまず、個人的には外した印象が強い。まず、ブレ感のあるアップショットが連続し画面酔いが激しい。好き嫌いの問題か。体調の問題か。凄惨な暴力がある種、美的に描かれている。系統として今作はスプラッター趣味の痛ましい焼き付けに終わっているようで、あまり得るものがない
 暴力とガールズポップの融合、結びつけたのはドラッグで、青少年薬物汚染を媒介に人々の破滅を描きながら、いじめなど集団心理の暴挙をあげつらった。この場合、主人公で元刑事の役所広司が、とある殺人事件を契機に、自分の娘の失踪に直面し、元来が破滅的な性分から、暴力に暴力で打ち当りさらに破滅の限りを尽くす。警察組織の裏事情や、役所の娘、加奈子を巡り、恋いこがれた少年「ボク」の破滅のストーリーも並走している。まずは時系列として、現在と3年前を行き交わせること自体から話が分かりにくい。久々に見る不快な映画だが、存外悪くない

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2014年04月02日

ベン・スティラー自演活劇

LIFE!
ベン・スティラー
14.0401life.jpg★★★☆☆

 なんかの際にみた予告編につられて観たベン・スティラー監督&主演の映画『LIFE!』(原題『THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY』)。著名写真誌、ライフ誌の地味な役職、ネガ整理係の中年男が不意な状況に巻き込まれ、大冒険を繰り広げる活劇ドラマ。予告編ではおいしい所が凝縮されるため2時間尺になるとまあうま味が分散されてそれほどのインパクトはなくなるが、何ともやるせない男の生き様(LIFE!)に共感できるホットな映画という印象。着地点がどうにもアレで腑に落ちなさはあるが良作。地味な設定の男がスーパーな活躍を示す展開はありがちなのだが、一種謎解き要素があるため、視聴者はその主人公の男に同化して冒険を楽しむ趣向。空想シーンも混在するが出す所はド派手に展開し、切ないロマンスも並走する。これぞ切れ味鋭き変化球のエンターテイメント。

 ネガ係ウォルター・ミティはライフ誌の紙媒体撤退により最終号となる表紙の写真を主席カメラマン、ショーン(ショーン・ペン)から受取り損ね、今なお世界を行くショーンの足取りを追って、職場のあるNYから極地グリーンランド、そしてアイスランド、さらにはヒマラヤへと旅を繰り広げる流れに。好意をよせる同僚とは婚活系サイトを介しての出会いを探るためプロフィールを掲載しようとした所、自分にこれと言った経験談がないことも旅の発端となった。さらには社内にリストラの嵐も吹き込みケツに火がついた状況のウォルター・ミティ。ショーンにたどり着き目的のネガを受け取ることができるか…

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2014年02月25日

過激アクション炸裂の第2弾

キック・アス ジャスティス・フォーエバー
ジェフ・ワドロウ
14.0224Kick-Ass.jpg★★★☆☆

 さえない高校生がヒーローコスプレ「キック・アス」となり悪に立ち向かう痛快コメディアクションの第2弾。初回から2年を経て出演者たちは少しずつ大人になり、アクションシーンもスケールアップしたよう。流血、殺戮と相当エグミのある格闘シーンは映画の見所で物量感もって迫る。今や売れっ子女優クロエ・グレース・モレッツ演じるヒットガールも少女の面影が消えつつあり、劇中、正義への思いと、普通の女子としての振る舞いとの間で揺れ動く心を見せる。しかし芯は変わらない。戦闘魂を叩き込んだ父の遺志を継ぐものとして再び立ち上がる。どちらかというと「ヒット・ガール」の方が主役だった様にも思えてくるが、当のデイブこと「キック・アス」もミンディこと「ヒット・ガール」により徹底的に戦闘能力を叩き込まれ実戦対応レベルへ躍進。「ヒット・ガール」が養父の元で一時休戦を強いられる間、ジム・キャリー演じるスターズ・アンド・ストライク大佐率いるスーパーヒーロー軍団の後ろ盾を得て、悪漢退治にいそしむが、前回「キック・アス」が倒したギャングの息子レッド・ミストこと「マザー・ファッカー」が大金を積み重ね悪人ども束ね立ち向かうことに。デイブは「キック・アス」の身代わりで父がさらわれ強殺されたことから最後の決戦に挑むことに。ミンディもクラスの女子らとの闘争を経て再び合流し対決へ。

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電映嗜好
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2013年12月24日

無酸素・無重力パニック

ゼロ・グラビティ
アルフォンソ・キュアロン
13.1223GRAVITY.jpg★★★☆☆

 アメリカのスペースシャトルでミッション遂行中に起きた事故で宇宙空間に投げ出された2人の行動を追ったパニックサスペンス。何よりも全面無重力状態をキープしたど迫力映像。役者の浮遊状態はワイヤーワーク、背景の宇宙映像と宇宙船などCGを駆使して実現したようだが、何ともシームレスで動きに不自然さがない。ストーリーは単純だが、そんな仕組み、制作技術の部分で見所充実。役者はサントラ・ブロックとジョージ・クルーニーのほぼ2人のみの出演。宇宙船クルーとして他にもいたが、みな「ゴミ」にやられてしまい命なし。宇宙空間2人ぼっちから、やがて1人が欠け、サントラ・ブロックの1人劇となる。死と背中合わせの恐怖感が常につきまとうパニックストーリーに息が詰まる。

 通信装置の修復作業で船外作業をしていたストーン博士(サントラ・ブロック)とチーフの飛行士マット(ジョージ・クルーニー)だが、いきなりのスペースデブリ(宇宙ゴミ)飛来により、シャトルは打撃を受け、ストーンは命綱が切れ1人宇宙空間へ。死が迫る恐怖の中、体の制御が効かず回転を続ける。マットは噴射機により宇宙空間での移動が可能でストーンを回収、母船に向かうが既に大破しており他の乗組員も全滅。デブリがさらに迫るという事で、ISS(国際宇宙ステーション)へ向かい、地球へ帰還を試みるも。ISSもデブリの打撃を受けており、ストーンとマットは酸素切れや制御の関係から1人を切り離さなければならず、マットがゆずって1人宇宙へと舞った。残るストーンは次々に襲うトラブルの中、ソユーズの切り離しに成功するが、ソユーズの燃料切れが発覚し隣の中国のステーションへと向かう…など。
 絶望と希望が錯綜する究極のパニックサスペンス
 スペースデブリは役目を終えた人工衛星の残骸が宇宙空間に飛遊しているもの。軌道に乗り猛スピードで無数の金属片が飛んでいる状況は現実的な問題とも

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2013年12月21日

セレブ狙いカラフルな盗人

ブリングリング
ソフィア・コッポラ
13.1220blingring.jpg★★★☆☆

 タイトル通り、ブリンブリン!な世界感で描く音楽映画。コッポラ監督前々作『マリー・アントワネット』にも通じるガーリィでカラフルなスタイル、ブリンブリンな宝飾品やみずみずしい少女らの青春がロックでパンキッシュなBGMとともにカットバックされる痛快クリミナル少年少女ドラマ
 夜な夜な少女たちが憧れのセレブな人の家に忍び込んでは豪華絢爛な衣装、宝飾品を身にまとい盗み出す盗人たち。盗人は中流家庭の子女。飽き足らない日常の心のすき間を埋めるのはファションと音楽。US・ロスの高級住宅街カラバサスであった実在の窃盗事件を映画化。窃盗してはクラブに繰り出して大騒ぎしてFacebookに写真をアップ。忍び込むセレブ家はやはりFacebookで海外行きなど情報をつかみ、グーグル・ストリートビューで家の外観を確かめて狙い撃ちする。中心メンバーは中華系の血が入ってそうな面立ちのレベッカ(Katie Chang)と学校では「キモい」と疎まれがちな男子、マーク(Israel Broussard)が最初に打ち解け合い、レベッカの盗癖から事が始まる。ニッキー(Emma Watson)らが後に合流。犯行に至るまでの心の動きにも迫るが、画面上躍動しているのはセレブ家でのクロゼットではしゃぐ彼女らの表情。終盤、彼らは逮捕されるも、パリス・ヒルトンやらのお騒がせセレブへの犯行という事もあってかちょっとしたもてはやされ方で世間に取られる皮肉系。ニッキー役のエマ・ワトソンはイギリス系役者でありリアルセレブであるのも複雑化

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2013年11月29日

かぐや姫の真実があらわに

かぐや姫の物語
高畑勲
13.1128kaguya.jpg★★★☆☆

 昔話『竹取物語』の映画化でアニメ界の巨匠、高畑勲監督作、14年ぶりの新作。墨絵のような筆致で描かれた幽玄な味わいのアニメーション。人物画は大半がデフォルメされているが、時に劇画チックにリアルな描写に変わる。そんな独特な絵づくりにまず目が行く。ストーリーはあらかた子どもの頃に聞いたり読んだりした「かぐや姫」の話。記憶もおぼろで、じいさんが竹刈りで拾った美しい子が姫になってやがて月へ帰っていく、と言ったおぼろげな記憶に、観ながら徐々に肉付けされていく。生身のかぐや姫。純真で躍動的なかぐや姫、感情の動きがあからさまに描かれる。そしてそのかぐや姫が月からやってきた謎、そしてなぜ月へ帰っていかなければならないかの謎があらわとなる。原作と違うのは、幼なじみとなる捨丸との恋愛話が加わったことで、悲劇的なインパクトを生む布石となる。あとは都で姫修行が始まって以降、共になる一段とデフォルメされたタッチで描かれる侍女キャラがいい味。

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2013年11月03日

父と子の距離感の真実

そして父になる
是枝裕和
13.1102sosite.jpg★★★☆☆

 福山雅治と尾野真千子、リリー・フランキーと真木よう子、それぞれ夫婦役で役柄上互いの6歳になる子が取り違えられていたことが発覚し、互いの夫婦は病院側の過失に共闘の意を固めるが、しかしここで浮き彫りとなるのは、それぞれの父が子らとどう接してきたか、ということで、福山演じる父、野々宮良多と一人息子・慶多との距離感の遠さがクッキリとなる。休日返上で働くエリートサラリーマンの良多は父子の関係が希薄。方やリリーさんは地方の商店街のざっくばらんなオヤジで子らとは親密である。これは単に取り違えた子の将来を考え今のうち肉親の元に帰しリセットさせる、のとは別の次元の問題。福山側が育てた子はリリー側の親子と暮らし始め少しずつ慣れはじめるのに対して、リリー側の育て子は福山家での生活から息苦しさを感じ脱出を図るエピソードに象徴される。そして父、福山の「気付き」から、「父となる」の情勢変化。鼻持ちならぬ父役が似合う福山雅治。NHK大河「龍馬伝」で見せた爽やかさとは別のリアルな人間味であり、父親像としては少々リアルなさは浮かぶもののそれも味なのであるかな。実在感でいえばリリー・フランキーのこの映画の中でのそれは大きすぎる。
 福山の妻役、尾野真千子でいえば、リリーの妻役だとしても十分にありえるのが想像できておもろい。
 是枝監督、子役のナチュラルさは定評通りだが、ちまたで語られる独特の演出法、撮影寸前に口述しセリフを話させるなどのことがふと浮かんできてしまい萎える感じはある。6歳の子に心理表現は不可能に近い。見ばえとしてどう見せるか。難しい子役演出に挑戦を続ける是枝監督。しかし今回監督本人に同じ幼年期の子があるらしくシンクロしてた部分は大きいかったという
 母と子も難しいが、父と子はそれ以上に難しいのである

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監督インタビュー

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2013年08月20日

飛行する映画、ヒコーキの映画

風立ちぬ
宮崎駿
13.0819kaze.jpg★★★★☆

 宮崎駿監督、「ポニョ」以来5年ぶり新作映画で、ゼロ戦の設計者、堀越二郎の半生をたどった伝記映画的夢物語。題名にも取られた小説「風立ちぬ」の作者、堀辰雄本人の悲恋話を合体させ、フィクションとして構築。基本、設計エンジニアのマニアックで硬派な話では成立しない、恋物語は必要
 賛否両論ある中で、前提知識なく観たのだが思い切り感動した。宮崎駿の数あるヒコーキ映画の中でも出色(『魔女の宅急便』は超えてないが)。こと今作では日本がモチーフにとられている。大正期から昭和初期の、田舎風景、都会風景。しかしすべては色彩鮮やかで、西洋風でモダーンなテイスト。建物や機関車など、硬質なものがプニプニと柔らかい質感を持っているように戯画化され、空は青く雲は白い。深い草原が風に揺れ、出てくる者の服も揺れ風をはらむ。帽子を飛ばす。恋が生まれる

 飛行機への強い憧れを持った少年二郎が成長し、飛行機製造工場へ勤め、欧米に遅れをとっていた技術開発を推し進め新式の航空機を開発。その間、学生時代に関東大震災で出会い長らく会うことがなかった菜穂子とも再会。結核を病む菜穂子とは軽井沢の高原で出会う。二郎少年の夢をパートナーとして推し進めたのは、イタリアの技術者、カプローニで、二郎が崇拝するあまり夢に出て二郎を励まし続ける寸法。

 中盤、軽井沢のシーン、二郎と菜穂子が出会う場面だが、ここいらから急にセリフが少なくなり物語の推進力が弱まる。観念的にシフトしていくのだが、これは「ポニョ」の時にも終盤にそうなったが、アーティスティックな描写に切り替わる。意表を突かれたがいい具合の緩急ではあった

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2013年08月18日

作り込みハンパ無きアニメ

SHORT PEACE
大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメ、森本晃司
13.0817_99.jpg★★★★☆

 大友克洋一派によるアニメのオムニバス、5編で トータル68分。それぞれが監督が異なり別々のプロダクションでテイスト違い、そのどれもがどえらく作り込まれたアニメーション作品になっており、圧巻のアニメーションテクノロジーに圧倒される。
 時間つぶしの時間帯で何の前提もなく観たのが、立て続けの超絶クオリティで、すごみにやられた。和風でくくられておりどれもが「戦い」というかアクションを伴うストーリー仕立てで、それぞれ別個の大スペクタクルを織りなしてる。

○森本晃司監督『オープニングアニメーション』は、神社で遊ぶ少女が時空のゆがみに迷い込み体験する不思議世界。このあと続く、摩訶不思議映像を予感させる前座ムービー
○森田修平監督『九十九』は、前時代、どこか山奥に迷い込んだ修繕師が一時の嵐を避難するため身を寄せたほこらで体験する妖怪との競演。男は畏怖すべきもののけの来襲をむしろ楽しんで過ごす夢の様な物語
○大友克洋監督『火要鎮(ひのようじん)』は、江戸の大火「明暦の大火」と「八百屋お七」を合わせたようなストーリーで、日本画絵巻物の平べったいパースを絵づくりに取り入れ、後半は火事の大スペククルを表現。燃え広がった火はもはや消すこと出来ず、それ以上広がるのを防ぐため家をぶっ壊すしかない。夜空に舞い上がる火、劇的悲恋
○安藤裕章監督『GAMBO』は、前時代、山村に現れた赤鬼の様な化け物が村の女を奪い尽くし、一人残された少女へもその手が伸びるが、そこで現れたのはどこか神秘性ある白熊で、赤鬼との壮絶な戦いが始まる
○カトキハジメ監督『武器よさらば』は、それまでの時代劇テイストと打って変わって近未来が舞台。それこそ大友監督が原作のものを動画化。廃墟と化した東京で無人機戦車と装甲服舞台との死闘を描く。

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2013年01月11日

長い長い旅路の始まりの一編

ホビット 思いがけない冒険
ピーター・ジャクソン
13.0110Hobbit.jpg★★☆☆☆

 かつて奪われた自分たちの土地への帰還の旅。その間多くの難敵を倒し突き進まねばならぬ苦難多き旅路の物語。古き日、架空の国「中つ国」での話。ピーター・ジャクソン監督が活動拠点とする、ニュージランドの大自然をロケ地としておおよそ雄大な光景が連続する豪華な背景。しかしこの話、ヒット映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の前段の話で、またも3部作となり、その1話目。前提の背景のフリの段階で早くも眠気に教われ、ようやく旅が始まり、意識は再生するものの、敵との戦いで13人のドワーフと1人のホビットの少数が数々の難局を切り抜けてく展開が長く連続して、不思議な疲れを呼んだ。確かに、『ロード・オブ・ザ・リング』は1編も観ておらず、前提知識に乏しくストーリーについてけない部分はあるが、何か過剰というか、ムダに長いというか、3時間の尺は2時間ぐらいにしてもらいたかったとか、色々な思いはある。好みの問題。
 3Dでも作られているが、料金の安い2Dで鑑賞。終盤のクライマックス、巨大な洞窟に作られた吊り橋での活劇は空間的要素が豊富で3Dで観れば相当な迫力になると思しき。

 事前に観ていたが、この映画をイメージした航空機内の安全ビデオがまた秀逸

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2013年01月10日

業界風刺のレストラン狂騒詩

シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜
ダニエル・コーエン
13.0109shef.jpg★★★☆☆

 仏映画ならではの独特な割り切りでグイグイとストーリー展開するコメディ。最近ではTV-CMのドラえもんでおなじみ、ジャン・レノが三ツ星シェフ役で主演の仏料理界楽屋裏の風刺劇。展開のスピード感について行くのがやっと。1時間半の尺があっという間に過ぎて、ラストほんのりと温かさが残る最高の観後感。コンパクトさがいい。軽妙でオシャレなコメディ。この感覚がまさしく忘れかけていたフレンチエスプリ。

 レノ演じる有名シェフ、ラガルド。往年の名声でここまでつないできたが、オーナーは世代交代し、星が落ちたら左遷すると通告される。そこに現れた料理オタクのジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーン)。ジャッキーは著名なシェフのレシピはすべて暗記し再現できるほど料理に傾倒しているが、働く店ではそれが災いし、厨房にとどまらず客の注文までに口を出して、どこも続かない。婚約者は妊娠中で互いの蓄えも減りやむなくペンキ塗りとして働くが、ひょんなきっかけで、シェフ、ラガルドと出会い助手となったジャッキー。しかし当のラガルド以上にラガルドを知るジャッキーはラガルドにさえダメだしをするが、ラガルド自身、ある種の天才であるジャッキーに頼るしか道はない。批評家におもねるため近年はやりの「分子料理」(科学的な見地から生み出す料理)に手を出さねばならぬ。でこぼこ2人の共同作業が始まる。

 2人のコントまがいなからみがイカす。「分子料理」は素材の原型をとどめぬ化学実験の産物の様でうまそうではない。そんな料理が今時であると風刺。ついでにサムライ、ゲイシャのステレオタイプな日本も登場。客や料理人でも日本人が色々出てくる。認識され方はアレだが、かなりの浸透具合

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2013年01月03日

Mを守ってボンドが行く

007 スカイフォール
サム・メンデス
13.0102.Skyfall.jpg★★★☆☆

 ジェームズ・ボンドの上司Mが悪玉に狙われるものその悪玉、かつてMの部下にてボンドとは似た境遇の持ち主。ボンドは冒頭でMの非情な指令で死にかけており、Mとボンド、そして悪玉ラウル・シルヴァとのトライアングルな人間関係がクローズアップされた今作。恒例大スペクタクルアクションも相当スゴいのだが、そんなストーリーが重奏しており厚みある構成の力作。そして懐かしき007のカルトアイテムも登場で見どころ多数。

 007シリーズ50周年でダニエル・クレイグ3作目ジェームズ・ボンド。シリーズ通算で23作目。007、クレイグ篇は個人的に初めて観た。射撃スキルに衰え見せるなど役の設定もあってか老けて見えるが68年生まれで44歳と存外若い。ボンドガールとのラブシーンはあっさり目にてタフなアクションシーンはしっかりこなし切れ味鋭いボンド像。そして今作は上司Mヘの忠誠を示して最後付近はMを連れて自分の故郷、スコットランド「スカイフォール」へと逃避行し最後の決戦へと備える。
 アクションシーンで言えば、冒頭イスタンブール、旧市街マーケットの大混雑の中での高速カー&バイクチェイス、さらに走る列車上でのスペクタクル等の流れがすざまじく、その後それ以上のものは出てこなかったりするが、手を変えて大規模アクションが幾つか仕掛けられてる。ネット時代を象徴した電脳テロリズムと連動のフィジカルな爆破テロ等に立ち向かうエージェント。英国内で立ち上がる組織不要論を一蹴するため、そしてシルヴァからの執拗な恨みからMを救うためにジェームズ・ボンドが命をかける。

 悪玉ラウル・シルヴァには『ノーカントリー』での殺人鬼ぶりが記憶に残るハビエル・バルデム。上司Mはジュディ・デンチでM役は7作目、今作で退役が決まってる。ダニエル・クレイグのボンドは既に後2作の契約があると。ラストロールで長崎市・軍艦島がクレジットされてるが、実際にはセットモデルとしてロケハンされ別地で再現されたと

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2012年12月31日

"レ・ミゼラブル"、舞台を映画に

レ・ミゼラブル
トム・フーパー
12.1230LesMise.jpg★★★★☆

 ミュージカル仕立てであることを知らず曲も知らずそもそものストーリーさえ知らずに観て、2時間半の長尺が全く気にならないない全編たっぷり満たされた量感にやられた。しかもラストに向かってのヤマはすざまじい。もとはフランスの作家ユーゴー原作の本だが、今作はロンドンのミュージカル舞台版を映画化したもの。当たり前だが全編セリフは歌による構成。歌を最初に録っておいて撮影現場で流し口合わせで芝居を撮ってく通常の撮り方ではなく、現場の役者が歌も同録での撮影、が話題となっているが、後で知った。そんなことも画面からほとばしり出る迫力につながったのだろう。大スペクタクルシーンの特撮テクノロジーも含めて豪華な映像は連続する。とにかく物量感ある映画に仕上がってる。
 主演、ジャン・バルジャンにはNYブロードウェイのミュージカル出身役者ヒュー・ジャックマン。数年前にアカデミー賞の司会をしてて顔に覚えあり。ジャンと数奇な出会いを果たし娼婦に身を落としたあげく事切れ、娘コゼットをジャンに託すファンテーヌにはアン・ハサウェイで歌も唄える実力派として着実に成長してる。ジャンをとことん追い回す敵役の警官にラッセル・クロウで憎らしさが板に着いた名優。このクラスでもオーディションで役を勝ち得たといいう。ハリウッドセレブリティで固められた主要配役の中、唯一無名の配役で、コゼットとは恋敵となるエポニーヌ役にロンドンのウエスト・エンドの本場ミュージカル女優サマンサ・バークスがついた。ナタリー・ポートマン似の役者で切ない歌いが印象に残る。

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2012年11月09日

翼を取り戻す物語

最強のふたり
エリック・トレダノ, オリヴィエ・ナカシュ
12.1108Intouchables.jpg★★★★☆

 頸椎打撲で首下が麻痺した富豪とその介護人の2人が引き起こす奇跡の感動ストーリー。コメディかヒューマンドラマか。いささかファンタジーでもあるかな。かくしてもれなく感動の名品。相容れない世界に住む互いの素性。これが融合した時の計り知れない化学反応を生み出す。実話に基づくストーリで本国フランスやドイツでヒットし、東京国際映画祭でグランプリ。ハリウッドも配給権とリメイク権を獲得の近頃話題沸騰のヒット作

 フィリップ(フランソワ・クリュゼ)は都会の豪邸にてたくさんの従者を従える富豪の主人だが肢体不自由にして本来の頑固な気質もあり孤立、引きこもり傾向。不自由を抱える元ととなったパラグライダー事故により、カラダもココロも翼をもがれた状態の初老の紳士。対するはムショ帰り黒人ゲットーの住人、ドリス(オマール・シー)。介護人に応募したのも、不合格のサインを手にするだけで失業保険がでるため。面接でのざっくばらんな態度にひらめいてドリスを採用したフィリップは、この粗野な男によって翼を取り戻していく。翼のひとつは庭で眠っていたスーパーカー、マセラティ。介護車を嫌ったドリスがフィリップを助手席に乗せゴージャスなエンジン音とともに都会をひた走る。元来が走り屋でもあったのだろうフィリップの気持ちを蘇らせた。フィリップの翼をひとつひとつ再生していき救世主となるドリス。フィリップがドリスを面接の寸時で選んだひらめきは鋭かった。裏心なく、ま正直に人と対し、障がい者である自分への同情や偏見はまるでないドリスは、フィリップの無二の親友として絆を深めていく。

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2012年10月25日

夢売る、夫を売る妻の深層

夢売るふたり
西川美和
12.1024yumeuru.jpg★★★☆☆

 松たか子の悪女ぶり、あからさまでないが確固たるフィクサーぶりが躍動する人間ドラマ。リアリティは薄いが、人のエゴを丸あばき、本性を浮き彫りにした風刺劇。エンタテインメントとして十分に楽しめた逸品。西川美和監督、『蛇イチゴ ('03)』『ゆれる ('06)』『ディア・ドクター ('09)』に続き3年飛びで4作目となる新作公開。これまでにも増して毒っけたっぷり、上々の切れ味ある秀作シネマ

 妻(松たか子)が夫(阿部サダヲ)をネタに女たちから金を引き出す詐欺夫婦の話、であることを知らずに観はじめると、徐々にそんな展開が明らかになってくる。妻・里子が、夫・貫也のとある「才能」に気付き、2人共闘の女性からの金銭引き出し作戦が開始される。元はと言えば夫の側の浮気。2人は元々居酒屋を女将、板前として営んでおり、失火が原因で全焼。里子は地道にバイトをするものの、夫は板前としてのプライドから雇われることができず、飲んだくれる日々の果てに昔のなじみ客と不倫。しかしその不倫客から金をせしめたことから、里子は貫也の才能を活かす道を見出す。すべては2人の新たな店、スカイツリーを見渡せる料理屋開店の夢のため。好き者の夫は妻公認願ったりの逆美人局か、否、徐々にほころびを見せる2人に待つラストシーンとは…

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2012年09月02日

これが映画だ。おおかみこども

おおかみこどもの雨と雪
細田守
12.0901ookami.jpg★★★★★

 「日本人よ、これが映画だ」と唄われた『アベンジャーズ』を観て全く映画的興味がわいてこなかったのに対し、まさしく「これが映画だ」と痛感させられたアニメーション映画。下手な実写映画より、いや何億の予算をかけて仕上げられたハリウッド超大作にも増して価値ある映画、に思う。
 『時をかける少女』 や『サマーウォーズ』の細田監督による最新作で、花という名の女子大生がおおかみとヒトのアイノコの男性と恋をし2人の子をもうけ、その男性は狩りの途中で死んでしまい、そこから花の2人の子育て物語となる、おおよそリアル感の無い、おとぎ話。しかしなんとも言えぬ強烈な吸引力が全編にみなぎっていて久々に個人的評価五つ星の映画。
 アニメーションのタッチは、人物に関してはかなり単純化した線で、しかし背景などは時折実写も組み合わせた精巧な筆致。物語描写はセリフによる成り行きの説明をことごとく廃ししかし劇的に刻々と進展し滞りも不自然さも無い。花というそこら辺にいそうな、少し芯が強く、しかし普通の女性が苦悩しながらも持って生まれた笑顔絶やさぬ心持ちのもと、おおかみ子どもを育てる苦難。結局人目を避け、東京から人里離れた寒村の古民家で暮らすことになるが、そこからは、子どもたち自身の物語に発展する。快活に育った長女の雪はとある転校生に「獣臭い」といわれ、それまでの快活さを失い、しかし新しい処し方を学ぶ。内向きに育った弟の雨は姉のように学校にはなじめず母が働き始めた自然観察員の仕事に付いていくなどしてるが、とあるきっかけで野生の血を目覚めさせる。母の花は荒れ地を一から耕作し野菜を実らせるまでにする。大自然の中で3人それぞれが飛躍をとげて、2人の子らは道を見つける。スバラシキ映画

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2012年09月01日

ヒーロー結集で過剰な戦闘の道筋

アベンジャーズ
ジョス・ウェドン
12.0831Avengers.jpg★★☆☆☆

 アメコミヒーロー大集結でハリウッド超大作、CG特撮戦闘もの。キャラクターをあまり知らぬゆえか正直、最初から余り入り込めるものでもなかったが、ラスト付近で延々と続くマンハッタンでの悪との攻防、ヒーローらが全員集合して悪に立ち向かう大迫力の戦闘シーンはみものでもあった。が、やはり現在進行発展途上のCG技術はもはや見慣れてしまったせいもあり至極精巧ではあるものの作り物感は拭えない。
 映画は最後の大決戦に向けた前提の流れが進む。近未来、国際平和組織が調査していた、計り知れない威力を持ったキューブが暴走し、時空の穴を開けてしまい、地球の支配を目論む輩を地球へ呼び込んでしまう。組織の長フューリー(サミュエル・L. ジャクソン)はこれに対抗するため、密かに地球最強のヒーローを集めた戦闘集団、"アベンジャーズ"を組織。その結集には互いのプライドもあり、難を極めたが、アイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)を中心として、最後の最後で共闘関係に。マンハッタン上空に開いた時空の穴から強大な部隊が押し寄せ、ビルをなぎ倒し市民らをパニックに陥れるが、"アベンジャーズ"の面々がこれらに対抗、アイアンマンは空中を飛び回って、空飛ぶ鯨のような悪の母艦を誘導、ハルクはその強大な筋力でぶちかまし、キャプテン・アメリカらは個々の威力で圧倒的多数の襲撃群と「地球を守るために」戦闘を繰り広げる。
 かくして総編144分、過剰なまでに作り込まれた世界は終る、スタッフロールはその余韻に浸り、最後まで見た方がいい

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2012年08月17日

極彩色、芸能界の裏側ホラー

ヘルタースケルター
蜷川実花
12.0816hel.jpg★★☆☆☆

 スターモデル、りりこの栄華と没落の成り行き。
 溢れ出るオーラと光り輝く美貌でファッション雑誌のカバーショットを占拠し、セレブとのスキャンダルで話題振りまくモデル、りりこだったが、その実態、容姿は全身美容整形で作り物。所属事務所の社長が若き日の自分を再現するために作られた「レプリカント」で、整形による後遺症が連日現れ、精神的にもぼろぼろになり、やがて事務所の後輩タレントが売れ始めると子飼いのマネージャーを使って傷つけようするが失敗。追いつめられたりりこは薬物にハマっていき、ラストのエポックシーン映画記者会見シーンへとつながってく。一見華やかな芸能界の裏側で展開するホラーまがいなてん末記

 原作は岡崎京子の人気コミック。りりこ役には公私で話題振りまく沢尻エリカで映画へは5年ぶりの出演。難役りりこに体当たりで挑んだが、映画のりりこは実物の沢尻エリカ自身とオーバーラップする構造。カメラマンの蜷川実花が監督で『さくらん』に続き本編2作目。『さくらん』は監督自身の作風でもある極彩色の色使いが江戸吉原の花街風情によくマッチしてスートリーにも破たんなく感動的だったのを覚えているが、今回は何かいくつかの断片を荒くつないだ様な何かシーンが抜け落ちてるようなぶつ切り感があり、りりこのこころ模様としても一つの線としてもつながらず、何か空騒ぎしているようで実在感に乏しい。ギリギリで桃井かおりやら寺島しのぶらの怪演で補えているかの印象。りりこにプレッシャーを与える後輩モデル役で現実の人気モデル水原希子も出演しており、なぜか安心感ある存在に

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2012年06月02日

心の穴を埋めるレンタルネコ屋

レンタネコ
荻上直子
12.0601renta.jpg★★★☆☆

 市川実日子が演じる猫に好かれるタイプの女性、サヨコは猫を貸し出す「レンタネコ」屋を開業しており、そこで出会ったお客とのエピソード集。お客3人ともう一人の4話オムニバスな展開。
 映画では冒頭、小民家で一人たくさんの猫を飼っているなど、サヨコのプロフィールが紹介され、サヨコが猫数匹を屋台に乗せ川端へ営業に出かけるとお客に出会う。そこで猫を貸して時間経ち、また猫を引き取る─の繰り返し。猫を借りたいというお客には簡単な審査があって。サヨコがその人の家に行き猫へ愛情度合いを計る。そんな中でその人なり人間ドラマを導き出されていく流れ。それぞれお客は猫によって心の穴を埋めようとし、普段の生活でゼリーの真ん中に開ける穴だったり、靴下にあいた穴、ドーナツの穴へのこだわりなど、物理的な穴へのこだわりが露呈する。4つめのお客のエピソードでは中学時代の同級生で、今は泥棒家業にいそしむ吉沢なる男が出てきて、サヨコ自身の過去を振り返っていく
 淡々として、ユルさに満ち満ちた空気感は荻上監督の過去作『かもめ食堂』『めがね』と同様。今回レギュラー的な存在だった、もたいまさこは出てないが、小林克也がおばさん役で登場してシュールなノリでサヨコと絡み不思議さの度合いを深めている。SF映画のような変な時空感覚が味

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2012年06月01日

パリに浮かれてタイムスリップ

ミッドナイト・イン・パリ
ウディ・アレン
12.0530Midnight.jpg★★★☆☆

 ウディ・アレンの新作にして、キャリア最高のヒットとなった話題作。3度目となるアカデミー脚本賞も受賞。その内容、実にシンプルで小粋な都会のラブコメディ&SF的要素。アレンの過去作『カイロの紫のバラ』では劇中映画のキャストがスクリーンを抜け出して現実の人らとからむ、なんてギミックがあったが、今作ではなんと、パリにやってきた主人公の脚本家が毎夜定刻、1920代にタイムスリップし、サロンに集まる作家や画家など著名アーティストらと関係を築くというぶっ飛びな企画。石畳のパリの街並は昔も今も変わらない。その点昔へといきなりタイムスリップしたとしても違和感がない。割とシームレスな過去現在の行き交い。そして全くシリアスでない、とぼけた味わいの会話劇が展開される脱力系シネマ。ちょいとオタッキーな主人公ギルは、タイムスリップ先で出会った「ピカソ」の知り合いという女性に恋をしてしまう。

 脚本家ギルはフィアンセのイネズとその両親らとパリに観光に来ていて、ギルはパリの魅力に大ハマり。たまたま出会ったイネズの友人らとも折り合い悪く、一人真夜中にパリをさまよっているとアンティークな車が現れ中の人らがギルを招き入れ、栄華誇った20年代へと連れて行く。サロンでは作家のフィッツジェラルドとその妻ゼルダ、ヘミングウェイら名士らが彼を迎え入れ、文筆家でもあるギルは舞い上がり、執筆中の台本を見てもらう約束を取り付け、次の晩昨夜と同じポイントで待っていると車はやってきて、昨夜の続き。その繰り返しでダリ、マン・レイらその時代の生きる芸術家らとも親交を深める中でピカソの知人、アドリアナに一目惚れするギル。1890年ベルエポックの時代に憧れてるというアドリアナ。ギルは時代旅行はさらに続いて…。

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2012年05月22日

映画愛に満ちた楽屋話

アーティスト
ミシェル・アザナビシウス
12.0521TheArtist.jpg★★★☆☆

 フランス映画にして、US・アカデミー映画賞受賞の奇跡を成し遂げた今作。サイレント映画とあるが、サウンドトラック(BGMや時に効果音)はしっかり乗せられている。サイレント風を装ってレトロ感を醸造させた、良き日のハリウッドをオマージュした作品。アカデミー賞監督賞を受賞したフランス人監督アザナビシウスは今作の準備のために無声映画時代のさまざまな作品を観返してスタイルを引用していったと。端々にそんな映画たちへの愛が込められていてグッと来る。そんな古典映画礼賛の指向性

 古き良き時代のハリウッド、無声映画から有声映画に切り替わりの時期を舞台に、スター俳優の栄枯盛衰を描いた楽屋話。スターのジョージ・バレンタイン(ジャン・デュジャルダン)はトーキー(有声)映画への切り替わりにうまく乗り切れず落ちぶれ、反面、ジョージが目をかけていた新進女優ペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)はジョージの凋落と反比例するかのようにスターダムにのし上がる2人の関係性が主軸。ペピーは先輩俳優、ジョージを心底慕っており、それは自分の立場が変わろうとも揺るがず。自ら監督をした主演映画が失敗し、自暴自棄化するジョージを救おうとペピーは奔走する。ペピーとともにジョージを支えるのは、ジョージの愛犬アギーであり、ジョージお付きの運転手として仕えていたクリフトン。果たしてジョージの再起はなるか…

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2012年03月23日

少年が開くカギの向こうに

ヒューゴの不思議な発明
マーティン・スコセッシ
12.0322Hugo.jpg★★★☆☆

 パリのターミナル駅の天井裏に住む孤児の少年、ヒューゴの冒険譚。特撮映画の先駆者、ジョルジュ・メリエスをモチーフにしたベストセラー小説が原作で、古き良き時代の映画愛に満ちあふれた作品。スコセッシ監督、キャリア初の3D撮影で、冒頭に駅の天井裏の込み入った中を少年が疾走するのを追う長回しのシーンがあって、これが見所というか、つかみとして度肝抜かれる超絶SFXシーン。
 USアカデミーの技術賞総なめのハリウッドが誇る映画技術最先鋭のシネマである。しかしアカデミーではエントリーされていた作品賞など主要部門ではことごとく受賞はならなかった。ストーリーに入り込めて、何か感動するなりの所までは個人的にもいかなかった。けだし「映画愛」の話である。メリエスの築いたフューチャーレトロなテクノロジーへの熱烈なるオマージュが込められいる。メリエスの代表作の『月世界旅行』など彼の作品の断片がちりばめられ、その撮影シーンが再現される。メリエスは最初自前の小屋を持つ売れっ子手品師だったが、映画の魅力に取り付かれ、私財投げ打ち映画スタジオを立ち上げ自作自演で手品師のトリックをふんだんに取り入れた特撮映画を量産していった、などの「歴史」が明かされてく

 少年、ヒューゴは博物館に働いていた父の形見の壊れた機械人形をこよなく愛し、修理法の書かれた父の手帳を読み解き、駅の天井裏からのぞき、スキを見て階下のトイショップから部品を盗みコツコツ修理をしていた所、ある日そのショップの店主に捕まり、手帳を奪われ、その店主は手帳を処分すると言われ、少年は店主の家を探り、そこに住む少女イザベルと知り合い、2人しての冒険を開始する。トイショップの店主は実はジョルジュ・メリエスであり、過去の映画監督としての栄光をとあるきっかけから封印している。少年は機械人形が動き出す最後のカギを見つけだすと、人形がとある絵を描き出し、それが次なる展開のカギとなる

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2012年03月22日

ヴェンダースがダンス・ドキュメント

pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち
ヴィム・ヴェンダース
12.0321pina.jpg★★★☆☆

 躍動するダンサーたちはステージに収まりきらず、街へ、大地へ飛び出して新奇性あるダンスを繰り広げるアート系ドキュメンタリー。「ヴッパタール舞踊団」のこれまでのステージと、主宰者にして09年6月に逝ったピナ・バウシュを回顧し、舞踊団を総括するスタイル。
 コンテンポラリー・ダンス界の重鎮であるピナは同郷のよしみから映画監督ヴィム・ヴェンダースと旧知にあり、コラボによる映画化については20年来温めていたようだが、ヴェンダースが実現化できずいた所、3D技術に進化によりようやっと映像化へのメドが立ち準備を進めていた所にピナの訃報が入ったと。ヴェンダースは一時は中止を決意するものの、残されたダンサーらの意向により制作を再開し昨年11年に完成。USアカデミー賞の長編ドキュメンターリー賞にもノミネートされた。
 過去の演目でいうと『カフェ・ミュラー』『春の祭典』『フルムーン』『コンタクトホーフ』からの断片をコラージュ。ダンサーたちのインタビューはそれぞれの母国語によるコメントが収録されており、ピナの思い出も厚く語られる。ピナ本人の映像も少し、ステージにキャストとして登場している。
 個人的には2005年6月の新宿文化センターでの公演『ネフェス』を観ている。天上から水が落ち、したためられた水に踊りしぶきを上げるダンサーたちが印象に残る。
 感情は適度に抑えられ身体的な躍動に昇華される。水や岩、土、椅子とのアンサンブル。スタイリッシュでシャープな作品世界。首謀者ピナの死は惜しまれるが、残された映画は永遠である。

 あと、ドイツの地方都市と思しき街を背景にしたダンスシーンでは、背景にモノレールが映される。ヴェンダースの初期作『都会のアリス』に出てきたドイツのモノレール。年代物と思しきフューチャーレトロな都市交通を伴う風景が妙に懐かし切なき

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