2007年12月28日

夢の具現化に挑んだ怪作

パプリカ
今敏
07.1228paprika.jpg★★★☆☆
 
 患者の夢に潜入し同じ夢を共有することで治療を行う精神医たちの物語。末にその院内での権力争いに発展していくがそれは終盤のクライマックス時点での話で、映画の冒頭は、現実シーン、夢シーンそれぞれが微妙なつながりで出てくるので、流れが非常につかみにくい。まあ、それはそれでいろんな意味期待感つのって吸引力ある展開。ボブカットのキュートな女の子という設定のパプリカ。まずは彼女が何者なのかがわからなかったが、一人の女性精神医が患者と夢を共有する際のキャラクターであるとわかった時点で、なんとなし流れをつかむことが出来た

 筒井康隆が93年に発表した同名小説の映画化。『千年女優』などの過去作品がありコアなファンの多い今敏の演出。過去作品でも夢と現実が織りなす流れはあったというから、この夢の具現化に多くの労力をさくこの作品への思い入れは大きかったのではと推し量れる
 アニメーションゆえに可能な夢の世界の自在な描写。作中繰り返し出てくるのが夢シーンの主たるビジュアルで、日本人形、鳥居やポストに電化製品などあらゆる事物が狂乱のパレードを繰り広げるもの。微妙なレトロ和テイストがキモかわいいというか、アングラムードでいい

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2007年12月15日

若大将第一弾は青大将が丸ごと悪役

大学の若大将
杉江敏男
07.1215daigaku.jpg★★☆☆☆
 
 若大将(加山雄三)シリーズ、記念すべき第一弾は若大将が水泳部に所属。モテモテの若大将は資金繰りのダンスパーティを開き、出会ったばかりのヒロイン澄チャンを招待するも満足な相手が出来ないまま、家業のすき焼き屋の高級肉を持ちだしておやじから勘当。仕方なく水泳部のマネージャーが管理人バイトしてるのを頼り芦ノ湖へ。そこでは加山の実父、上原謙演じる大会社社長をボート転覆から救い、その会社令嬢との縁談持ち上がる。これを聞いた澄チャンの誤解は深まり、青大将(田中邦衛)のクルマで爆走となるも、そのクルマは若大将のおばあちゃんをはねることとなる。ここら辺無理な展開だが、若大将はこれを大会の当日に聞き試合会場から病院に駆けつけ輸血でおばあちゃんを救い、試合に戻る。リレー競技のアンカーとしてギリギリ間に合い、誤解の解けた澄チャンの大声援を元に1位でゴール。チームの勝利に貢献。

 今回、ライバルの青大将はキャラが若大将との親交なしのまるっきりの悪役ぶり。青大将で笑かす場面がないのがシリーズ中の今作の特徴か。シリーズの初回ということで全体が、その後シリーズの各キャラのはじけっぷりに比べおとなしい印象。ヒロインの澄チャンは青大将の父親が社長の石山製菓のキャンディガールだと。

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2007年12月06日

拾う人その後、ヴァルダの私的散文

落ち穂拾い・二年後
アニエス・ヴァルダ
07.1205LesGlaneurset.jpg★★★☆☆

 ミレーの名画「落ち穂拾い」に着想を得て監督の暮らすフランス各地の「物を拾う人たち」を撮り集めたドキュメンタリー『落ち穂拾い』から2年後の「後日談」を追った話。前作を見た人にとっては、興味深いモノになるだろうけど、見てない人には分かりにくそうな流れ。あっという間に終わってしまった印象。えっ、これで終わり?、的な。商業的な作りではない。監督の趣味的、私的散文のような映画

 映画『落ち穂拾い』は公開後、各地から大反響を呼び受賞も多数。監督の元にも沢山ファンレターが届いたという。そんな成り行きが冒頭語られる。監督の自宅。そして監督自身のカメラとナレーションも前作同様。届いたレターを手がかりに、拾い物で家の飾り付けをしたという人の家を訪ねる。監督の映画の影響は大きかったとその家の人。
 カメラは前作で出演した人たちのその後を追いかける。パリの市場で拾い物を食べて生活してるボランティア教師は前作同様に街頭で新聞を売ってる。映画の感想を聞くと、映画自体は好きだが、監督自身が出て、自分の体を映しているのは余計だったと彼は答える。そして前作でもエポック的に描かれてたじゃがいも大量投棄の現場。同じ状況は依然として続いていて。監督はそこでまたハート型のじゃがいもを探す

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2007年11月28日

拾う人たちをカメラで拾って

落ち穂拾い
アニエス・ヴァルダ
07.1127Les_Glaneurs.jpg★★★☆☆

 ミレーの名画『落ち穂拾い』の、上半身をかがめて物を拾う姿が、市場で残り物を拾う人々にリンクしたことから着想を得て、フランス各地の「物を拾う人たち」を撮り集めたドキュメンタリー。
 60年代位から小粋なフレンチシネマを撮ってるイメージの映画監督、アニエス・ヴァルダが自らカメラを回したり、一部出演、全面的にナレーションをつけてプライベートビデオ的に取り上げた小品。自分の興味のままに様々な状況での拾う人々を主観的に追ってる。

 ミレーの『落ち穂拾い』は収穫後の残り物を拾う農婦の図であったことをここで初めて知ったが、現代の「落ち穂拾い」は様々な社会問題を背負っているよう。今作の例では、じゃがいもの収穫で規格外のものが大量に捨てられている現実など。アニエスのカメラはそんな「もったいない」状況を糾弾する、といった視点では決してなくて、それらを拾う人々を淡々と追い、言い分をうんうんと聞くのみである。

 時にカメラは自分の皺だらけの手に向かう。自らの人生を振り返るかの如く

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2007年11月14日

夫婦で逃避行のロマンチックアクション

ゲッタウェイ
サム・ペキンパー
07.1112Getaway.jpg★★★☆☆

 スティーヴ・マックイーン主演で夫・ドク、妻・キャロルにアリ・マッグローで銀行強盗を仕掛ける夫婦。強引に事を成功させるも、成り行き上、警察を始め、依頼主一派、そして依頼主によって雇われ強盗をドクらと共にした凶暴な男、3方から追われる味となった夫婦。張りつめた緊張感とともに延々と続く2人の逃避行、さらにラストの銃撃シーンなど見せ所詰まっておいしいメジャー作。

 こと西部劇アクションを本領とする巨匠サム・ペキンパーゆえに彼の真骨頂である、スローモーションでのガンアクションはたっぷり盛り込んであるのに加え、今作はどちらかというと夫婦間の愛情物語が色濃い作り。愛し合うばかりでなく時にケンカする2人。2人の感情の行き違いにはある「訳」があるのだが、これは映画の重要なアクセントとなるフィクサー、ベニヨンの仕掛けによるもの。

 映画はドクの服役シーンから始まるが、街の顔役、ベニヨンの計らいにより保釈される、となる。ドクは服役中、キャロルとの面会の際に「ベニヨンと会ってこい」と命じた。ベニヨンの仕事を受けるのを引き換えに保釈を頼んだもの。出所後、その仕事である銀行強盗を済ませ、ベニヨンに金を持っていって見れば、ベニヨンは、魅力的なキャロルの頼みゆえのこと、と暗に情事をほのめかし、その場でベニヨンはキャロルにより銃殺されるが、ドクの心に深く刻まれたキャロルの「裏切り」。キャロルは、ドクと一緒になるためなら誰とだって寝ると言うが、ドクにはやりきれない。何とも浪花節的めおと物語。
 
 冒頭、ドクの服役シーンは、キャスト&スタッフ紹介の字幕部分となるが、この部分の作り込みが最高にいい。ドクの服役労働の様子に、刑務所で飼われている鹿の描写、妻・キャロルとの愛の思い出、刑期短縮を審査するシーンなど、あらゆる事の成り行きを短いカット、ストップモーションなどを立て込んで、音楽のみで見せるスタイリッシュな編集法。これを見るだけでも価値がありそうな位しびれる演出。

 ラストシーンはドンデン、というわけでもないが、あっさりと意外な展開に

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2007年11月06日

炭坑町のブラスバンド人情劇

ブラス!
マーク・ハーマン
07.1105BrassedOff.jpg★★★☆☆

 閉山に追い込まれた炭坑町のブラスバンドのメンバーたちが生活の不安を乗り越え、見事全国コンクールに優勝する栄を勝ち取るまでを描いた人情物語。92年の実話を映画化したもので、劇中音楽は題材に取られたバンドが演奏してると。劇中で「グリムリー」とする町の名は、実際には「グライムソープ」と

 特に英国の田舎の炭坑町をリアルに描写することに徹して、人物の実在感に満ちている。悲喜こもごもなリアリズム人情劇。炭鉱町で市井の人々が奮起して何ごとかを成し遂げるプロットは、まるで『フラガール』のそれにつながるのだが、こちらはどちらかというと男達の物語。炭坑のおっさん衆、仕事終わりにパブでビールがデフォルト。そういえばパブに限らずビールを飲んでるシーンが多く出てきた。

 そんな男達は伝統あるブラスバンドに所属の面々。一方で閉山の危機迫り生活を脅かされる切迫した状況。バンドリーダーの長老、ダニーの全国制覇に向けての熱いエールがむなしく響く。「それどころではない」と。家庭では女房どもにこんな時期にブラスバンドないだろう、とあおられるが。そんな折にバンドの創設者の孫娘だというグロリア(タラ・フィッツジェラルド)が加入、腕前も器量も上々ということでバンド内のテンションが一気に沸騰。劇中、主人公的存在の若者、アンディ(ユアン・マクレガー)もグロリアとは幼なじみであり色めき立つ。が、それも一時の花火で、閉山危機はリアルにメンバーを襲うこととなり、グロリアが会社側の人間であることも発覚、リーダーも肺病に倒れ、バンド存続はいよいよ危うくなるとなるが‥

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2007年10月31日

村人ともに北と南の兵士が融合

トンマッコルへようこそ
パク・クァンヒョン
07.1030Dongmakgol.jpg★★★☆☆

 韓国で同じ民族同士が北と南に分かれでいがみあうやるせなさを根底に抱え、いつしか融合の夢を語るよなメッセージが胸揺さぶる。深刻なる戦争を題材にした映画なれど、いがみ合うことのばからしさをあっけらかんとうたってピースフルでファンタジックなスタイルに仕上げた異色作。地元韓国では05年に公開され、韓国映画の動員記録で5位となるヒット作だという

 50年代、朝鮮戦争期の韓国のとある桃源郷のような村に鉢合わせとなった韓国軍、人民軍の兵士たち。舞台となる"トンマッコル"の村人たちはなぜ同じ言葉を話しながら敵対しあうのか、と両者の銃口向けあう対峙を不思議に思う。そんなことより、自分たちの畑を荒らすイノシシの方が憎らしい。
 純真無垢な村人たちとの生活でいつしか心通わすことになる両軍の兵士たち。村人たちと共に畑を畑を耕し、歌を歌い、草ソリで遊ぶ夢のような日々。やがて事態は連合軍の総攻撃が村を襲うとなり。兵士たちは村を守ろうと立ち上がり共闘戦線を張る。

 人民軍を村に招いた白痴の少女ヨイルの存在が映画の冒頭や結末付近で光る。ヨイルが輝いて見えれば見えるほど、心揺さぶられる結果になるとは徐々に察せるが、まあ、予想通り本編の彩りとしてスパイシーな存在感放つ
 途中、両軍の兵士たちが融合するきっかけとなったイノシシ退治の下りではスローモーション多用の特殊効果で本編中のエポックシーンを構築。まるでCMの様にコストのかかってる風の演出は、CM界で実績あり今作が長編映画第一作目となるパク監督の見せ所となる場面。

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2007年10月14日

キリスト教の暗部に迫る謎解き活劇

ダ・ヴィンチ・コード
ロン・ハワード
07.1013DaVinciCode.jpg★★☆☆☆

 世界5000万部のベストセラーを映画化し賛否両論で話題呼んだ問題作。前評判通り、キリスト教周りの前提知識がない上では分かりにくい作りなのだが、意外にもアクションやらドンデンやらでそこそこスピード感ある構成。重厚感ある美術背景に歴史的、学術的な側面ふんだんに取り入れ、それなりの重量感発散してる。『アメリ』のオドレイ・トトゥが暗号解読者として教授役トム・ハンクスとダブル主演ということで期待してたが、余り魅力的には写っていなかったような。聖杯を追い求める活劇という事で『インディージョーンズ』と比較される今作で、トム・ハンクスも『インディー‥』におけるハリソン・フォードの絶大な存在感には至らない。全体がストーリーや美術なりの豪勢な箱の中で人物が活かされていないよなニュアンスか。まあ、複雑怪異なストーリーを2、3時間の枠内でコンパクトに映画化ということで精いっぱいということか

 ルーヴル美術館の館長が館内で殺され、その際に館長が自分の死に姿により残したダイイングメッセージを、館長の娘で暗号解読官のソフィーと宗教象徴学専門の大学教授ラングドンが謎解く大筋。ラングドンには館長の殺人容疑がかけられ、そのため2人は警察からは逃走し続けなければいけない流れ。さらにキリスト教内秘密結社の秘部を探ることになる事でその方面からも制裁の手が伸びるという、サスペンスチックな状況で2人は徐々に真実に迫っていくことに

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2007年10月02日

澄ちゃんと恋のすれ違いの若大将

レッツゴー!若大将
岩内克巳
07.1001letsgo.jpg★★★☆☆

 若大将シリーズ9作目はサッカー部員の若大将。全日本のメンバーに選ばれた若大将は香港合宿に帯同するも青大将のトラブルに巻き込まれるわ、中華料理店令嬢との出会いでヒロインの澄ちゃんに誤解され恋のすれ違いに悩むことになるわで、どうにもうまくいかないことが多い。

 こうなるともうそんな流れに流されるしかない永遠の受け身キャラの若大将。香港合宿から帰って、
実家のすき焼き店、田能久が帝劇に支店をオープンするということで、店の手伝いをさせられそうになるが、香港で出会った令嬢の中華料理店が偶然にも田能久の向いに出店しており、令嬢との再会から歌が得意な若大将は急きょその店でミニライブを開くとなる。ますます親密化するかに見える若大将と令嬢の間をみて澄ちゃんの猜疑心つのる。何とか誤解を解きたい若大将。
 その後舞台を京都に移し3人の関係は意外な方向へ向かう。
 そして若大将の所属する京南大サッカー部はかつて破れた西北大と王座をめぐり再び戦うことになる

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2007年09月28日

ハイテンションでグロテスクな復讐劇

親切なクムジャさん
パク・チャヌク
07.0927kumujac.jpg★★★☆☆

 「後光が差す」までの美しい容姿を持ちながら献身的で聖母のような「クムジャさん」が復讐の鬼と化す振り幅が屋台骨のプロット。時系列が混交、何よりも複雑怪異でグロテスクなストーリーを極美的かつスピード感あふれるタッチで描いた作家性の色濃い演出で描き切って類い稀なる出来。
 最近の邦画で言うならこのスピード感と立て込みの構築性は、題材に違いはあるものの『嫌われ松子の一生』を思い起こさせる。才気走った演出手段。
 醸成される印象は何か空虚であったような気もするがルックスでは充足感足りる

 世にも稀なる美しい容姿を持った「クムジャさん」は、高校時に思いがけず妊娠。当時教育実習生だったペク先生に相談を持ちかけたのが運の尽き。産み落とした子をペクに誘拐され、返して欲しければ連続誘拐殺人者であるペクの罪をかぶれといわれ収監される。監獄では刑期の中で冷血なまでの復讐心を増幅させその布石の為、囚人仲間の悩みを解決する聖母を演じ「親切なクムジャさん」と呼ばれる様に。刑期を終え復讐のドラマが開幕。監獄で恩を売った仲間たちのサポートをバックに、憎きパクに迫るクムジャ。パク自身もクムジャを亡き者しようと2人の対決模様。そして後パクを捕らえたクムジャはパクに恨みもつ被害者家族を集めて「宴」を開催

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→cinema topics http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5960

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2007年09月17日

若大将でハワイを十分満喫シネマ

ハワイの若大将
福田純
07.0916wakadaisho_hawai.jpg★★★☆☆

 若大将(加山雄三)シリーズ4作目はシリーズ初の海外ロケでヨット部の設定。なのだけど、ハワイでヨットの試合とはならず、ハワイで遊び暮らす青大将(田中邦衛)を青大将の父に頼まれ連れ戻しに行く若大将という流れ。とことん青大将に引っ張り回される設定はいつも通り。
 ハワイを舞台に存分に若大将の歌あり、ダンスあり、サーフィンなどスポーツありありの(当時でいえば)ハワイを十分満喫シネマ。
 そして若大将のおばあちゃんの秘められたロマンスも発覚するおまけ付き

 ハワイでは当然ヒロインの澄ちゃん(星由里子)がいるのだが、これは化粧品販売員の設定。それまでのストーリーで若大将と青大将の乗るヨットと激突し最初の出会い。これを弁償する金集めのために若大将がダンスパーティーを開いて、その券を売りに先輩のいる化粧品店に訪れそこで2人は再会の展開。次いで若大将、青大将へのカンニング幇助で2人ともが停学となり、青大将は父の勧めでハワイの大学に編入をもくろむも、ハワイで行方しれずとなり、若大将がハワイへ出陣となるが、ここで大モテの若大将。

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2007年09月07日

圧倒的なラストシーンに向かって

陸軍
木下恵介
07.0906rikugun.jpg
★★★★☆
 
 映画のすべてが凝縮されているよな鮮烈なるラストシーン。それまでの映画の流れはまるっきりこのラストシーンへのおぜん立てに過ぎない。出征のための大行軍。行軍の中に息子の姿を見つけると
田中絹代演じる母親は人込みをかき分け延々と息子の姿を追う。息子の出征を喜ぶ母親の姿か、否、死に行く息子を憂いての深い悲しみに満ちた母親の小走りである。映画史上の名シーン

 話は幕末から始まる。九州は小倉、城下を長州軍が襲い、とある商家に手負いの藩士が駆け込み形見の『大日本史』を預けていく。列強の影が忍び寄る日本。史書を預かった商家の主人は史書に強く傾倒し息子に対し尊王思想をたたき込みつつ無念を死を遂げる。後年息子(笠智衆)は日露戦争に参軍するも体が弱く退軍。そしてさらにその息子に未来を託すとなり、時を経て晴れて出征の栄を受けた息子は日中戦争に向け出征の行軍。これがラスト。

 監督、木下恵介は長編第2作めで国策映画である今作を手がけたのだが、戦意高揚に仕立てたと見せ、その実、しっかりと反戦の意思を見るものに与えてくれる。さらには笠智衆と東野英次郎のやり取りの中でなど面白みのあるシーンが幾度となくある。圧倒的なラストシーンを抱え、エンタテイメントとして優れた作品

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2007年08月25日

奈良の土俗の生活が収められた重量感

萌の朱雀
河瀬直美
07.0824sizaku.jpg★★★☆☆

 奈良の山間、深い森の情景と、廃虚の様なトンネルを前にたたずむ家族。といった印象に深く残る鮮烈な映像がちりばめられている。そこに村があり家族の生活があって、あたかもドキュメンタリーを観ているかのような、コケむした生活感がにじんでいる。確かに、過疎化の進展により離れ離れに暮らすことになってしまったとある家族の悲劇、といったストーリーはあるが、余り重要ではないようにも思える。それだけの圧倒的な土俗の風土をフィルムに収めた重量感ある映画。

 それまでドキュメンタリーを主戦場としてた河瀬直美監督が、96年に制作した初の35ミリ作品で初の商業作品として撮り上げたもの。97年、河瀬監督にカンヌ映画祭で史上最年少でのカメラドール(新人監督賞)受賞をもたらした今作は、その後に続く奈良シリーズ(と呼ぶかは知らない)、奈良の土俗の描写をさらに深く追求していったような、00年『火垂』、13年『沙羅双樹』の2作品への突破口となるエポックメイク。そして今作から10年を経て07年には再びカンヌで近作『殯(もがり)の森』をもってグランプリ受賞。10年を経て視点はまるっきし変わらず、奈良の山村での人々の生活模様が描かれる。頑固なまでにぶれない意思がみなぎる河瀬監督作品

 奈良県吉野村が舞台。林業で生計を立てるとある家族を追う。主の孝三(國村隼)とその母、妻・泰代と娘・みちる、そして孝三の姉が残した男児・栄介の5人が暮らしている。村に鉄道を通す話が持ち上がりにわかに活気立つ村。孝三もその計画に携わっていたが、時が経つうちやがて工事は中断。孝三が子供2人を連れて歩いたトンネルも今や廃虚と化し、喪失感に見舞われた孝三は愛用の8ミリカメラを手に失踪。妻は娘と実家に戻ることになり家族が離れ離れとなる。
 そんな話を主線に、みちるの栄介への幼い恋心や、栄介のおばに対する恋などが錯綜する。

 今作で河瀬監督に抜擢され、女子高生みちるを演じた尾野真千子は10年後の河瀬監督作品『殯の森』で再び主要キャストに。かわらぬ清廉な個性放つ

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2007年08月21日

脱力、おしゃれでオフビートな"PARTY7"

PARTY7
石井克人
07.0820PARTY7.jpg★★☆☆☆

 CMディレクター、石井克人監督による3作目の劇映画
 それぞれが癖ある7人が集まって「パーティ7」。とある田舎の怪しげなホテルの一室に、それぞれの"訳"を抱えて集まった7人衆。なのだが、7人揃うのは映画の終盤。いざ揃ってこれから何か始まるのか、と思った時点で映画が終わり呆気にとられた印象。こざかしくコントのようなセリフ劇とギャグのコネタが連続した脱力系、ちょいとおしゃれ狙いなオフビート感覚シネマ。
 石井監督、今作に続く『茶の味』ではこの脱力感覚が良い味出してたが、今作はどうにも狭苦しいイメージから抜け出ない。前作『鮫肌男と桃尻女』から『茶の味』への過渡期的作風か。

 隣り合わせた2部屋合わせて密室状態で話のほとんどが展開する。
 永瀬正敏演じるチンピラヤクザが2億円を横領。とりあえずどこかにしけこもうと「交通の便が悪い」のを狙ってやってきたホテルに、どういうわけか次々に来訪者がやって来る。金をせびりに来た元カノにその彼氏、組からの追っ手が2人、そして隣部屋は一方をのぞき見る仕掛けのノゾキ部屋状態になっておりノゾキ趣味の男らがノゾキ談義に花咲かせてる。とあるきっかけで2部屋を隔ててたマジックミラーが割れ、ノゾキの2人も合流して大混乱の「パーティ7」

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2007年08月14日

サプライズの仕掛け多様のSAW続編

SAW2
ダーレン・リン・バウズマン
07.0813SAW2.jpg★★★☆☆

 ジグソウなるサイコキラーにより仕掛けられた密室サバイバルドラマがグロテスクに展開する内容で衝撃的話題を呼んだ『SAW』の続編。
 2匹目のドジョウは賛否両論を産んでるようだが、前作の世界観をほぼ踏襲しているということで前作の時受けたインパクトに至らぬも、独特の緊張感は持続。サプライズの仕掛けも多種多様に拡大。世に金字塔打ち立てた前作の派生形としてはまずまずの出来、という印象

 前回は閉じこめられたのが2人だったが、今回は8人に増え、一つの部屋でなく、幾つもの部屋と通路がある状況でのサバイバル。場内には遅効性の神経ガスがまん延し2時間以内に解毒剤を打たなければ死ぬということで、各所にかくまわれた注射器を探し出すことになるが、そこは8人協力しあってとならず、エゴイズムで場をしきる悪党やら、その場の裏事情を知るものなど発覚し場は混乱。殺人トリックに引っかかったり、ガスにやられて脱落するものなど現れ次第に人数が減ってく。
 これをドラマAとすると、この状況をテレビカメラで見る立場のドラマBが平行して展開。
 主人公的立場の刑事・エリックは、フィクサーのジグソウ(今作では出ずっぱり)とともにBの状況。エリックの息子がAにいて、ジグソウは、息子を助けて欲しければ、黙って私の話を聞けとエリックを脅している状況。「ルールを守れば息子は助かる」と。
 息子とともにサバイバルゲームを戦う面々は、ストーリーが進むうち、それぞれ収監された過去があり、強引な捜査態度からエリックに恨みを持つ立場にあるものばかりが集められたことが発覚する。一緒にいる少年がエリックの息子であることをゲームの面々が知れば、少年の立場が一気に危うくなるなるが‥

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2007年08月10日

銀行強盗大計画で結局宇宙へ

クレージーの大爆発
古澤憲吾
07.0809crazy_daibakuhatu.jpg★★★☆☆

 クレージー映画、後期の大作。これまでの集大成的内容の豪華さ。この頃のスパイモノのお約束、"007シリーズ"のパクリから、制作当時話題の3億円事件やら月面着陸などのネタ取り入れ、どたばた度合いも最高潮
 スケールの大きさといえば、クレージー7人衆が銀行の巨大金庫にある金塊を強奪の下りでは、隣のビルから穴掘って地下から強奪。事前の作戦会議では後楽園・巨人-阪神戦貸しきり状態。金塊強奪後の逃亡シーンでは乗っていた輸送機に積まれた水爆大爆発。ラストは月面に舞台が移るなどのぶっ飛びよう。
 監督はクレージーモノはじめ東宝コメディの巨匠、古澤憲吾で、今作がクレージーキャッツ7人が揃って出演した最後の作品というが、最後に考えもつかない大花火打ち上げたものだ。なのだが、それほど作品としてメジャーになってないのは、なんとなし散漫、とりとめなさで印象深いモノとならないからか。そうとうマニアックな部類の一品

 3億円犯人の大木(植木等)は新興宗教の教祖となり美女をはべらし競馬場で金をまき散らす生活送っていたが、世界征服企む秘密組織に東京の銀行に眠る金塊を奪うプランを明かされ、これに乗る。当の銀行に恨みを持つもの、建物の設計者、地下を穴掘って通路にするため出発点にある歯医者(谷啓)など仲間に取り込んで作戦決行。穴を貫通させるためダイナマイトを使うが、音のごまかしのため地上ではアイドル歌手(いしだあゆみ)のテレビ収録を行う。作戦成功にて組織に向かうが自分らが利用されてることが分かり反撃に出るも、金塊を乗せた輸送機には水爆が積まれておりこれが爆発。面々は月へと吹き飛ばされて‥

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2007年08月04日

"プロデューサーズ"の原点/ブルックス処女作

プロデューサーズ
メル・ブルックス
07.0803TheProducers68 ★★★☆☆

 コメディ映画の奇才、メル・ブルックスが68年に撮った処女作。デブチン演劇プロデューサーと過敏症の会計士のコンビがわざと当たらない芝居を打って大もうけをたくらむといったストーリーで、今作をオリジナルとして、01年にブロードウェイミュージカルとなり大ヒット。05年にはこのミュージカル版が映画化されこれまたヒットの『プロデューサーズ』。今作が正真正銘のオリジナル版。その時期のアカデミー脚本賞も受賞してると。当時にしてみりゃそれだけ新鮮なプロットだったという折り紙付き、ということか

 舞台版と新しいほうの映画版をこれまで観てるが、今作はまさにこのプロットの面白さというかくだらなさが単純明快に凝縮。いわゆるコメディ映画の巨匠たるブルックスのペーソスが満点にちりばめられてる。ミュージカル仕立てになってない分シンプルな構成
 ブルックスがユダヤ人ゆえか、プロット上、当たらない台本として取り上げられてる劇はナチス礼賛の「ヒットラーの春」。
 ナチス風軍服で歌い踊り、ありえない程のばかばかしいコスプレの舞台は大ヒットし、2人のもくろみは外れ詐欺行為があわらとなり収監されるが、監獄にて芝居の興業にいそしみ囚人看守どもからまんまとせしめる根っからの商売人(=プロデューサー)コンビ。
 「プロデューサー」とは、かくあるべしとの精神性を歌った?のかはわからんが舞台裏を皮肉った奇々怪々な風刺劇であることは間違いない

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2007年07月31日

マクレーン+ケイジのプチ感動コメディ

不機嫌な赤いバラ
ヒュー・ウィルソン
07.0730GuardingTess.jpg★★★★☆

 わがままな前大統領夫人"テス"に手を焼くボディガード"ダグ"の受難のストーリー。
 ささやかなコメディタッチの装いだが、終盤大きな山場を迎える。意外な方向に進む展開にちょいとした、いや、かなりの感動さえ覚える、良くできたプロット。シャーリー・マクレーンとニコラス・ケイジ、超メジャークラス2人が共演。華麗さはない話だが、元祖小悪魔マクレーンと困り顔にインパクトある演技派ケイジのぶつかり合いでいぶし銀のコクある作品に仕上がってる

 律義に任務を遂行しようというダグだが、テスは終始不機嫌で元来のSP嫌い、お互い相いれないように見えるが、ダグに対しては絶対の信頼を寄せるテス。それは冒頭、ダグの任務期間延長はテスの希望によるものだとする描写で明らかなのだが、普段の2人はまともな会話もままならない。へそ曲がりなテスの性質によるものか。おまけにダグはほとんど屋敷を出ない夫人の警護に飽き飽きしていて、冒頭の下り、3年の任務期間終了時に第一線での任務を上司に願い出ているほど。これが期間延長となれば、腐らないわけにはいかない。
 ある日テスはオペラ鑑賞に出かけるのだが、この帰りに運転手に命じて遁走、結局屋敷に帰り着いていたが、巻かれたSPは地元警察の失笑を買い、堪忍切れたダグは退任を願い出るも大統領直々の電話に逆らうわけも行かず元さやに。この後テスはダグに孤独の身の上を吐露するなど歩み寄りを見せるが、おもいもかけない事件が2人を襲うことに

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2007年07月23日

ある約束がイゴールを突き動かす

イゴールの約束
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ
07.0722LaPromesse.jpg★★★☆☆

 約束が生んだ少年の意識改革。
 ダルデンヌbros監督が劇映画3作目にしてつかんだ、自国ベルギーにてリアルであろう社会問題を手持ちカメラを全編に用いてドキュメントタッチに描く独自スタイル。今作はこのスタイルが監督の次作「ロゼッタ」以降に続く突破口となるエポックメイキング。重量感のある悲劇だが、父と子の葛藤、そして移民妻と心の絆を築こうという少年を描く物語として、心なしかさわやかな印象

 不法移民を食い物にするブローカー親子を軸に物語が展開。父・ロジェは子・イゴールとともに移民らの弱い立場につけ込んで搾取の生活。その矢先、イゴールは移民の一人の不慮の事故に立ち会い、死に行くその人に妻子を頼むと言われ、それまで父に従う一方だったイゴールの意識がその約束への責任感から変貌を遂げてく。当局の捜査が面倒だから死体を埋め、家族にはことを告げるなという父

 それまで、ほぼチンピラのような生活をしていたイゴールはそんな出来事をきっかけに人に対する思いやりなどの本来あるべき感情を醸育していく反面、父との葛藤に苦しむことになるが、やがて父を捨てることを選択する。残された妻子と行動を共にするイゴール。夫は死んでいる、と言えないままのイゴール。行き場のない3人でのさまよいがはじまることに。

インタビュー

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2007年07月18日

クレージーの脱獄、強奪、大活劇

クレージー大作戦
古澤憲吾
07.0717crazy-daisaku.jpg★★☆☆☆

 植木等を中心に、クレージーキャッツ出演のアクションコメディ。
 後半からは伊豆のリゾートホテルに、周囲に新設された道路を完全封鎖して行ったであろう大掛かりなロケシーンが印象として残るが、前半部分はややタルめ。
 「富士急富士見ランド」が全面協力らしくでかでかとテロップ入る。どこだ?

 盗みの天才、石川吾郎に植木等で、刑務所に収容されてる大平久(谷啓)の金庫破りの腕が欲しくて銀座の和光らしき宝石店で白昼堂々の盗み。収監されては大平と意気投合。ほか囚人のクレージメンバーも足手まといながら脱獄に成功。ハナ肇は看守なれど他囚人たちに引きずり込まれて脱走犯の仲間入り。石川と大平を中心にターゲットに近づく。途中女盗賊、姫子(野川由美子)の誘惑を振り抜け、悪の頭取から十億円を奪うプラン早々にかなうも、すぐに奪い返され、そこから伊豆のスピードウェイ舞台に空撮ありの大活劇に

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2007年07月15日

かたくなな少女の生き様を疑似体験

ロゼッタ
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ
07.0714Rosetta.jpg★★★☆☆

 この写実性とただならぬ緊張感は他に類を見ない
 少女・ロゼッタと雇い主の尋常でない押し問答から幕開け。解雇の理由がわからぬロゼッタは工場内で暴れるとなる。この時カメラはロゼッタと一体となって激しく動き回る。彼女の視線、そして彼女の心の動きそのままに激動のカメラワーク。この状況は今作一貫して続く。

 ベルギー出身の兄弟監督ダルデンヌbrosが初めて取り入れたこの手法。これの一作前で兄弟の出世作となった『イゴールの約束』では今作同様、社会的題材をドキュメンタリーチックに取り上げながらも、カメラと演者はここまで寄っていない。カメラワークは客観的(普通)なのだ。これの次回作『息子のまなざし』もそうだが、カメラは極主観的で観客は主人公とともに物事を疑似体験していく。やり切れない状況に苦しみながらも歯を食いしばり、現状に対し一人戦いを挑むかたくな少女の生き様
 99年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した今作

 トレーラーハウスでアル中の母を抱え家計を支えるロゼッタ。工場で不当解雇され、求職を願うも家庭事情からままならぬ。やっと得た菓子工の職も理不尽に奪われ、菓子工を紹介してくれ好意を寄せてくれてる男子にさえ職欲しさから裏切りを働く。出口なしの状況。その果てにロゼッタがしたことは‥

インタビュー

BITTERA END

CINEMA TOPICS

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2007年07月04日

暗殺者たちの心の動きを刻印

ミュンヘン
スティーヴン・スピルバーグ
07.0703Munich.jpg★★★☆☆

 06年公開で話題呼んだスピルバーグのスパイサスペンス。リアルな殺しの描写がバリエーション多彩に描かれるとともに、次々に仕事を進める中で暗殺者たちの心の持ち上がったある種の苦悩が克明に刻印される。任務完了にてすっきりした終幕、とはならないエンディング。
 今なお続く中東問題の根源的な事柄について、アメリカユダヤの民として独自の視点で切り込んだスピルバーグ監督の強い意志が感じられる。結論はこれだとはっきりしたものではなく、状況は袋小路の実情であるとの見解なのか。とても辛辣な事態は今なお進行している。映画は報道ではない、のだが、事態をより深く知る上で貴重な記録だし、皆がそのことを考えるきっかけとなる意味で的確な仕事なのだろう

 72年、ミュンヘン・オリンピック開催中に起ったパレスチナゲリラによるイスラエル選手団襲撃事件の後日談が描かれてくストーリー。このときイスラエル選手11名は全員死亡。これによりイスラエル諜報機関モサドがリーダーのアフナーをはじめに暗殺部隊を組織し、テロ当事者全員の暗殺を命じる。部隊の面々は爆殺、車両、偽造文書とそれぞれのスペシャリストなのだが、リーダーのアフナーにこれといった特技はない。あるのは料理の腕前とまもなく子が生まれるという家庭事情のみ。極めて普通のヒトに見えるが卓越した情報収集技能の元にメンバーを従え仕事をこなす。任務は遂行されていくがメンバーが殺されるなど失うものも大きい。アフナーは次第に自分のしていることの意味について悩むこととなる

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2007年06月27日

宍戸錠の探偵活劇ノスタルジック

探偵事務所23 くたばれ悪党ども
鈴木清順
07.0626kutabare.jpg★★★☆☆

 探偵・田島に宍戸錠。頼る警察にほだされながら幾多の窮地を笑顔で交わすニヒルでタフな探偵っぷりが魅力。
 大藪春彦原作の探偵モノを鈴木清順演出でおおよそ小粋な無国籍風アクションコメディ化して極めてモンドな味わいながら気楽に楽しめる娯楽作。
 『探偵事務所23』シリーズの映画化は2本あって、清純演出はこれのみ。もう一本は『銭と女に弱い男』

 探偵事務所所長・田島に宍戸錠、出入りの雑誌記者役に初井言栄、助手の堀内に土方弘でこの3人がでたらめながらも強力なパートナーシップ結び、警察側、熊谷警部に金子信雄、田中神父に佐野浅夫で、ここら辺のキャラ設定が強力。結局映画は2本しか出来なかったが、長く続くシリーズ物を予感させる世界観に満ちてる。
 そしてそのエッセンスが、平成の世、林海象監督『濱マイク』シリーズに受け継がれた、のだな

 ヤクザどもが逆恨みしつけ狙う強盗団の一人で収監されてたチンピラを泳がせ組織の裏を暴こうとする警察側。元はといえば探偵事務所23の所長、田島のアイディアによるものだが、これを警察は田島自身をおとりにすることで捜査を進める。話し進んで田島の偽装が組織にあばかれ、一転窮地に立たされる田島。地下室に閉じこめられて絶体絶命。一方田島は事前に組織の親玉の情婦・千秋(笹森礼子)と接近しており、2人して窮地を切り開くことに。続いて田島、組織、ヤクザ共々一網打尽の大捕り物の足がかり築く。

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ラベル:宍戸錠
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2007年06月23日

衝撃の赤バックは臓器の色

垂乳女
河瀬直美
07.0622taratime.jpg★★★☆☆

 冒頭になにやら血まみれのものが大写しされる。これはあとで、胎児を出産した後に母体から排出される"胎盤"だと知るが、そんな極彩色から始まり、続く画は色味の少ない、おばあちゃんの体。しわしわの体が大写し。タイトルにある『垂乳女』とはこのことか。まあ、とにかく強烈な映像群で迫りくる冒頭。次に監督自らが回すカメラでおばあちゃんをなじるやり取り。河瀬監督自らの声。かなり痛烈に追い込んでる様子。「なんで私を避けようとするか」みたいな事柄。2人の関係性は詳しくはわからない。追い込まれたおばあちゃんはしまいに、頭を掻きむしって泣きむせぶ。そして監督自身が身ごもる胎児のエコー映像と続く。
 まだらにうごめく生命と老婆に皮膚に刻まれたしわ(年輪)の対比が鮮烈。まだらなエコー映像は、次に、まだら模様の雲の様子に切り替わる。意外な画つながりだが類似形をなす

 辛辣で抽象的、極私的なドキュメントフィルム。命のリレーの様子を叙情性に偏ることなく河瀬監督らしく生々しく描いて鮮烈なドキュメンタリー

 最新作『殯(もがり)の森』がカンヌでグランプリ受賞(07年)し話題再燃の河瀬監督、養母であるおばあちゃん(祖母の妹)の生前と死に直面するまでの記録。さらに自身の出産に関わる内容と生まれ出た子供とおばあちゃんとのやり取りをつづれ折りにした構成。

 「極私的」といえば、かの昔『極私的エロス・恋歌1974』なるドキュメンタリーがあったが、これも出産シーンがエポックとなってた。今作では監督自身が出産という役どころ。子を産み出した直後に監督、奪う様にカメラを手に取り、自らと子をつなぐへその緒を切る様子をとらえる

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2007年06月16日

衝撃の赤バック、清順美学の一幕

関東無宿
鈴木清順
07.0615kantomushuku.jpg★★☆☆☆

 小林旭主演の任侠モノ。希代の美術監督・木村威夫のサポートを得て、監督・鈴木清順、映像美の限界に挑んだ問題作。
 ラスト近く、小林旭演じる伊豆組幹部、鶴田が賭場にてからまれケンカとなり、2人を切り倒すやいなや、セットの障子がばたりと向こうに倒れ背景の鮮やかな赤色があらわとなる衝撃。続く場面は敵対相手へ乗り込む道行き。降りしきる雪の中、刀を片手にゆくヤクザ・小林旭。ここいらのヤマを見るために、それまでのいささかたるい流れや、太すぎる小林旭の書き眉も我慢できようもの。

 映画の冒頭、松原智恵子を主格に花の女子高生3人組登場のオープニングとなるが、その後彼女らの存在が極端に薄くなる不思議さ。鶴田に恋する役回りの存在感あった松原智恵子は結局ヒロインではなく、次に登場する、いかさま賭博師おかる八の情婦、辰子(伊藤弘子)が鶴田の相手となる。辰子と鶴田は旅先で道連れた過去があり、3年ぶりの再会で燃え上がる2人、となるが今の辰子には相手があって微妙な関係性。

 鶴田はふがいない組長を奮い立たせようとばかり人を斬り、牢屋に向かうが、辰子の弟である敵方のちんぴらに親分を殺されたとなり、途方に暮れるしかない鶴田の引きつり顔で幕切れ

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2007年06月12日

アウトローな医師とヤクザの親交録

酔いどれ天使
黒澤明
07.0611yoidore.jpg★★★☆☆

 うらぶれた都会の片隅。商店街の裏にはごみ溜め然とした水たまりがヘドロと化しボコボコとガスが沸いている。そんなファーストカットにこの映画の世界感が象徴される。
 裏社会、出口無しの汚泥のごときヤクザ社会に生きる男。そんな彼を救おうという"天使"がいたと

 黒澤映画常連の志村喬が主演でアル中の医師役。そして今作以降幾度となく、監督&主演としてコンビを組むとなり黒澤映画の象徴となる三船敏郎を撮った初回で、黒澤映画2大俳優競演の始まりの作品。
 戦後ドヤ街での医師と落ちぶれヤクザの交流を追ったヒューマンドラマ。
 撮られたのは昭和23年で戦後の混とんとした街をセットで再現。白と黒のコントラストの強めのフィルムトーンと、映画黎明期のドイツ表現主義の残り香感じるカメラアングルで、アウトローなドラマ内容をさらに際立たせる演出スタイルが秀逸すぎる。

 タイトルで『天使』と銘打たれるのは、劇中、冒頭とラストシーン近くに出てくる久我美子演じる闘病中の女子高生ではない。普段から治療用のアルコールを常飲するアル中おやじ風情の医師を天使と見立てている。天使は、結核を病み出所してきた兄貴分とのなわばり争いにも分が悪い落ちぶれヤクザを裏社会から救おうと、持ち前の熱血ぶりから腐心する。ヤクザ自体も一度は精進を決意するも、そうはさせじとする彼を取り巻く社会があった。天使の怒りの矛先はそんな社会へと向かう。

 劇中、若き笠置シヅ子がキャバレーショーの歌い手として登場。唄うは『ジャングル・ブギ』で強烈な異彩放つ

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2007年06月07日

農村で戦車が爆走の訳

馬鹿が戦車(タンク)でやって来る
山田洋次
07.0606bakasensha.jpg★★★☆☆

 ありふれた一地方の寒村で、ある日戦車が繰り出した、となる後半のヤマ。乗っていたのはハナ肇演じる村からのけ者の男、サブで、地主やほか村民からの度重なる理不尽なる仕打ちに、堪忍袋の緒が切れ状態で納屋に隠してた小型戦車で大爆走となる。

 ネタバレとなるが、田畑、あぜ道、となんでもない田園に戦車が走行、そして追いかける村人たちの図。飯田蝶子演じるサブの母親は戦車の通りすぎる脇で農作業にいそしむ。耳が遠くなり異変に気づくことは無い。犬塚弘演じるサブの弟もそんな折、白痴ゆえに火の見やぐらのてっぺんでトンビと同化し手を広げ鳥鳴きの口まねをしてる。
 なんともシュールな光景だが、史上の名場面とすべきインパクトはある。

 監督・山田洋次、主演・ハナ肇による“馬鹿”三部作の第3弾。山田監督はこの“馬鹿”シリーズを下地に『男はつらいよ』シリーズの構想を育てたという。

 ラストシーン、戦車の行く手に寅次郎のさすらいの物悲しさがダブる

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2007年05月31日

沖縄・竹富島舞台に情感の映画

ニライカナイからの手紙
熊澤尚人
07.0530niraikanai.jpg★★★☆☆
 
 沖縄・竹富島の島娘役、蒼井優が主演でほぼ出ずっぱり。蒼井優と舞台となった竹富それぞれを美しく描いた情感あふれる映画であるかな。
 冒頭から続く、島の美しい風景がフィルターのかかった淡い画質で切り取られるルックスに、なんとなし胸高ぶる。悲しいストーリーの予感からか、単純に風景にやられたか。話が進行しだすと、そんな高揚感はそれほど持続するとはならなかったのだが。会えぬ母への思い盛り上がり、「泣き」ストーリーが開花する展開に追従できれば、なお感動が押し寄せる、となるが、それほどでもなかった。透明感のある蒼井優の演技でほぼベタベタにならず、しっとり静かに物語が進んでく

 6歳の時に島を出て戻ってこない母から毎年誕生日に届く手紙を待つ少女は、やがて大人になり、カメラマン助手として上京。母からの手紙の消印にある「渋谷」など、母の痕跡をたどり何とか逢おうとするも、かなわいでいるところ、二十歳の誕生日に、そんな母と待ち合わせとすることとなる。果たして母娘は逢える、のか

cinematopics

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2007年05月23日

奈々子視線でおばあの恋をみつめる

ナビィの恋
中江裕司
07.0522navi.jpg★★★★☆

沖縄おばあの代名詞的存在、平良とみが60年に及ぶ大恋愛を成就させる79歳老婆役でヒロインの『ナビィの恋』。
 監督はこれも沖縄映画の代名詞、中江裕司。沖縄の地場役者が多数出演する中、西田尚美が里帰りした島娘・奈々子役で、村上淳が本土から酪農バイトでやってきた福之助役でそれぞれストーリーに関わっていく。ヒロイン・ナビィとその旦那、そしてナビィのかつての恋人、サンラーとの三角関係が主旋律。
 ナビィとの恋仲を60年前にひきさかれたサンラー(平良進)が突然現れたことで、にわかに島中が慌ただしくなる。ユタの忠言により島を追放されたサンラーの帰還による騒動。映画の観客は島に里帰りしたナビィの孫、奈々子と同じ視線でそんなサンラー帰還騒動を見守る構図。奈々子は幼なじみのケンジから求婚されるが、バイト青年・福之助も気になってくるなどして、奈々子の恋模様もおばあの恋物語と平行して描かれる。きわめて陽気な映画なのだがとても切ない2つの恋物語が根底を流れてる

 のんびりムードの南国情緒を背景に、いつも何らかの歌が聞こえるシネマ。沖縄民謡”十九の春”やゲスト出演のフィドル奏者によるアイルランド民謡。沖縄民謡でいえば、三線奏者の登川誠仁がヒロイ・ナビィの旦那役で出演。喜劇役者顔負けのとぼけた存在感かもす。あとは沖縄民謡の巨星、嘉手苅林昌が主演してるが、99年に亡くなっていて、この映画での歌声が最後の音源であるという。

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2007年05月19日

巨大ウサギを捕まえろ

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!
ニック・パーク/スティーブ・ボックス
07.0518WallaceGromit.jpg★★★☆☆

 イギリスのクレイアニメ作家、ニック・パークとその仲間たちによる"ウォレスとグルミット"シリーズ長編アニメ。アカデミーで長編アニメーション賞受賞し話題となったが、イギリスではシリーズは20年続いてるTVアニメとして人気だという。
 WOWOWで旧作含めてのシリーズ集中オンエアで今作含め短編多数を初めて観てみた

 天然で惚れっぽく自信家の発明マン、ウォレスとその忠犬、グルミットが織りなすコメディで、たいていは主人、ウォレスが巻き起こした騒動を物言わぬスーパードッグのグルミットが主人の陰・日なたになりながら解決して事態は収拾のストーリー。ニヒルなヒーロー、グルミット。普段は編み物が趣味の物静かな犬なれど、主人に危機が訪れようものなら冷静沈着に機知働かせ、時に大アクションとともに主人を救うとなるお約束パターンが心地よし

 今作では村で大繁殖した野菜を食い荒らすウサギを退治する商売で村人の頼れる男と化していたウォレスが、さらなる珍発明で巨大ウサギを生み出すこととなって逆にひんしゅくを買うこととなり、またもグルミット、主人の泥をかぶりながらも事態収拾に大立ち回りの大活劇。ウサギが巨大ウサギに変身の下りは『狼男』のそれからインスパイアで、微妙にホラーアクションの趣向

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2007年05月15日

島の男の泣き笑い人生

いいかげん馬鹿
山田洋次
07.0510iikagenbaka.jpg★★★☆☆
 
 ハナ肇演じる瀬戸内の小島に育った男の破天荒な一代記。元来が孤児だった安吉。幼き日に出会った「お嬢様」(岩下志麻)を思い、自分の育った島の将来を思い、様々な企てを起こすものの、やることなすこと全てが裏目に出てゼロからスタート。それでもただでは転ばないど根性野郎の壮絶なる雑草人生─、ナノだが基本は喜劇仕立てでハナ肇の豪快な笑い声が全編こだまする人情劇。

 ハナ肇主演"馬鹿シリーズ"三部作のうち二作目
 監督は山田洋次で、なにげに渥美清の「寅次郎」を彷彿とさせる場面多し。テキ屋だったり、旅館で下働きに、好きな女に純情一筋など。『男はつらいよ』シリーズの原形として楽しめる向きも。個人的には子供のころ児童会かなんかで何度か見覚えあるハナ肇主演もので妙な懐かしさ感じる

 漁師・源吉に拾われた孤児の安吉。暴れ者に育つが越してきた少女・弓子には優しく接する。弓子は安吉の永遠のヒロインとなってく。成人期に家出をしていた安吉。ジャズバンド引き連れ興行師として島に戻っては、都会の息吹感じさせ一躍島のヒーローとなるも、金銭関係でもめ島の旅館で働くことに。ブラジルに行くと島を離れ、今度は著名な作家を島に呼んで来るのだが、作家が偽物という疑惑持ち上がり、またも旅館で下働き。後に来島した作家が島の風土をしたため全国的ブームとなり島に観光開発進む。安吉は海底観覧船の新商売始めるも船は座礁で撃沈し島を離れることに。後にヒロイン・弓子は島の教師となっており、生徒とともに修学旅行で大阪へ。そこで弓子は安吉を見かける

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2007年05月01日

加害者遺族と脱会信者。5人5様の距離

ディスタンス
是枝裕和
07.0430distance.jpg★★★☆☆

 是枝監督、『幻の光』に続く、99年に撮った映画2作目。
 "演技"を感じさせない自然体の芝居に、ぼそりぼそりと聞き取りにくいセリフが並ぶ。複数のエピソードと時系列が入り交じり、ストーリーの説明的描写はわずかに限られる
 ごくリアルな出演者たちの言動を手持ちカメラが切り取る疑似ドキュメンタリーの風体、なのだが、伊勢谷友介、浅野忠信、寺島進、夏川結衣、りょう、遠藤憲一、津田寛治、木村多江らの超メジャークラスがキャスティングされてる。インディペンデントな作風ながら、ある意味ぜいたくな構造。説明的でない分、不可解な部分出てくるが、そこ映画と観客の"ディスタンス"か

 無差別殺人テロ行為引き起こしたカルト教団の実行犯の遺族らが参集した、とある日々の出来事。山梨辺りの山中に亡き人を忍びにやって来た遺族4人。往路に使った車が何者かにより盗まれ、一夜を過ごさねばならなくなり、そこに同様に足を奪われた1人の脱会信者も加わって、かつて信者らが過ごした山荘に5人が身を寄せる。ぎこちなくもごく自然にそれぞれの身の上や亡き人に関わる会話が言葉少なに交わされる。それぞれに過去の日々がフラッシュバック、次の日"出家"するという兄と最後に会った日のこと、姉と川遊びの輝かしき日々のこと、教師の夫が教団で共に生活をしようと熱く語ったあの日、高校時代の後輩に妻を入信させられその後輩に突っかかった日のこと。
 浅野忠信演じる脱会青年は近しかった女性信者との日々や脱会時の様子を思い起こす。当の女性信者は集った遺族の内の1人の姉なのだが、脱会青年は、その人に弟はいないと聞いている、と疑問を投げかける。
 山から東京へと戻り解散する5人。
 その後姉が信者だった1人の遺族の事後談がつづられるが‥。詳しい事情を観客与えていない

是枝監督official

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2007年04月25日

天才青年の心の解放をうたう

グッド・ウィル・ハンティング
ガス・ヴァン・サント
07.0424GoodWill.jpg★★★☆☆

 1人の天才青年ととある精神科医の会話劇が映画の核心の展開となる今作。
 何の情報もなく、ガス・ヴァン・サント作品ということで観たが、意外にも重厚なるヒューマンドラマな展開に圧倒された

 作家性の高いマニアックな作品が多く個人的には大チェックの監督、ガス・ヴァン・サント。なのだが、この映画の初動は、主演の天才青年役マット・デイモンとその悪友役ベン・アフレックの2人が脚本を共同で著し、当時無名役者だった2人が映画会社に売り込んで制作にこぎつけたものだという。映画は大成功を収め、アカデミー・脚本賞受賞含めその後2人は一躍スターダムに登るとなるいわく付きの作品ということらしい
 ヴァン・サントがどういう経緯で監督を引き受けたか知りたいところだが、わからない

 当初、一介の掃除係にすぎない男が、役務担う工科大学の掲示板に描かれた数学者でも解くのに数日を要する難問を意図も簡単に解いてしまう、という下りから、天才青年のゼロからの出世物語かなんかで、最後またゼロ戻るとかの『アルジャーノンに花束を』的な展開を予想したが、まるでその類を追わない。というか事態はまるきり別の次元に移行してく。天才は天才だけど、青年は幼き日に受けた虐待により心に傷を負っており、それに対峙する精神科医も同様に最愛の妻を亡くした傷を克服し切れずにいる。カウンセリングという場を借りての2人の心のぶつかり合いがこの映画の真骨頂となっていく。そして解放されるのは青年であり、精神科医もまた青年とのやり取りの中で何かをつかむことになる

 そして心にくいラストシーン

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2007年04月23日

くたばれ!無責任とハッスルしまくり

クレージー作戦 くたばれ!無責任
坪島孝
07.04212kutabare.jpg★★★☆☆

 クレージー映画における植木等の代名詞「無責任」とはならない今作の植木等の役どころ。
 製菓メーカーの営業社員として「ハッスル・コーラ」販売に血道を上げるスーパーシャインとしてポジティブに困難に立ち向かう。
 監督は坪島孝でこの時本編監督2作目となる新人状態。クレージー映画の多くを担った古沢憲吾監督モノと比べればいささかパワーに欠けるが、周到な仕掛けが色々みられる

 社内一の無気力社員として植木等登場、これが後に変身となるが、構成の仕掛けとしては、モノクロとカラーの画面を植木の無気力時とハッスル時で切りかえて表現の手法。
 当初画面はモノクロで植木自身もどよーんとした暗いムードかもす。なんとも違和感ある冒頭の植木等。で、展開として、新製品「ハッスル・コーラ」には興奮剤が含まれており、これを開発した専務が無気力社員、植木に会社幹部の前でこれを飲ませ、ハッスル人間に変身するところを見せようとなる。瞬く間にハッスル社員になる植木。「ハッスル・コーラ」をドドーンと売り込もうと意気込むも、興奮剤が入ってるため販売許可が下りず、興奮剤なしのノーマルコーラにして、後に撤退に追い込もうとダメ社員をかき集めてコーラ販売にあたらせ、別会社として切り離す会社の意向。
 ダメ社員7人衆にクレージー・キャッツのメンバーで、無責任な会社の論理に対抗のクレージーの面々の図。
 ゲスト出演に上原謙で他ではまずみられないコメディ役者ぶり。さらに東野英治郎がお約束のエロバカ社長を好演

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電映嗜好
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2007年04月05日

植木等の三段跳びで出世男

日本一のホラ吹き男
古沢憲吾
07.0404horahukiotoko.jpg★★★☆☆

 植木等の逝去につき、テレ東でオンエア。(テレ東に感謝)
 クレージー(キャッツ)映画シリーズの「典型」っぽい作りで、植木等演じる主人公の情緒のかけらもない破天荒キャラがスクリーンいっぱいに炸裂する痛快作。ある意味直球勝負のいさぎよき作り。クレージー映画では一二を争う人気作らしい

 植木等演じる三段跳びでオリンピック候補だった男が、先祖が残した大ボラ吹いて立身出世の一代記を読み一念発起で日本一の大企業に入社し瞬く間に大出世とげるサラリーマンコメディ
 先祖の一代記を読む下りでは、時代劇の設定(これも出世譚)が本筋と平行で進行。一介の浪人風情から道場破りなどして成り上がり一万石の大名に三段跳びで出世するまで描かれ、これを植木等演じる初等(はじめひとし)、読み終えるとともに日本一の大企業で出世をとげると決意。入社試験でこそ失敗するものの、守衛として大会社、増益電機に潜り込み社長につけ入りにわか勉強によるゴルフ指南で社長を大いにおだてて社員化成功。後はモーレツに働き機略謀り部長に出世、となるがラストはあっさり過ぎ

 キーワードは「いっちょぶあーっといくかー!」
 元気もらえる事請け合い

東宝見聞録 

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2007年04月03日

ザ・バンドのラストダンス

ラストワルツ
マーティン・スコセッシ
07.0402LastWaltz.jpg★★★☆☆

 USのロックバンド、"ザ・バンド"が76年に行ったコンサート&メンバーのインタビューで構成されたドキュメントフィルム。ロック界、当時の巨星が一堂に会した意味で貴重な記録
 個人的には学生時代の甘き思ひで(もちろんタイムリーにではないす)にひたれる評価を超えた名作なのだが、WOWOWオンエアで久々に観ることできた

 ボブ・ディランのバックバンドだった前身を持つ"ザ・バンド"のリーダー、ロビー・ロバートソンが企画、監督をスコセッシに依頼してゆかりあるミュージシャンを呼びに呼びまくって開いたコンサート。ゲストには盟友、ボブ・ディランはもちろん、エリック・クラプトン、マディ・ウォーターズ、ヴァン・モリソン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングらが参加。それぞれ持ち歌披露してる他、リンゴ・スター、ロン・ウッドも演奏で参加したりしてる。ザ・バンド自体のグレイテストヒッツであり、ゲストたちの1曲1曲も最高。全てが豪華。まさにロックの金字塔的記録、としか言いようがない

 スコセッシでボブ・ディランといえば『ノー・ディレクション・ホーム』が最近公開されてたが、なにげに感覚は近い「音楽映画」。
 音楽通なのであろうスコセッシ。この『ラストワルツ』でも自ら顔出し熱心にインタビューするシーンが印象的。先日のアカデミーで監督賞とった際のコメントも感情丸出しの喜びようだったが、この映画でも彼の「熱い」思いがほとばしり出てる

Mojo Club 

ENDLESS HIGHWAY 

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2007年02月09日

結婚式で取り巻く人々狂騒詩

モンスーン・ウェディング
ミラ・ナイール
0208Monsoon.jpg★★★☆☆

 インド出身女流監督、ミラ・ナイールがメガホン取り01年のヴェネチア映画祭でグランプリの今作。
 きらびやかな女達の衣裳と、とりまく人々の感情が入り交じり、複雑過ぎるきらいあるも熱くエネルギー集積の力作。インド映画ならではダンスシーンもストーリーに違和感なく組み込まれて、加減よくエンタテイメント性あり

 インド北西部、パンジャブ地方のとある上流階級の結婚式前から当日まで数日を追ってる。
 基本は家族の物語なのだろう、行く娘とその父。当の娘は、親の決めた相手に嫁ぐ裏にはけじめをつけきれていなかった相手がおり、一家の結婚式に集まってきた日頃海外に住む親類たちや、結婚式を演出するウェディング・プランナーまで、それぞれが複雑な事情を抱えながら、結婚式という一大イベントに向かって錯綜する群像劇スタイル。
 ことこのウェディング・プランナー男に関しては、口先三寸で渡り歩いてきた軽薄さをたたえながらも、使用人の娘と恋に落ちるやいきなりシリアスにキャラ変わりする振り幅が心地よし

監督インタビュー

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2007年02月03日

寅次郎はリリーと、満男は泉と再開

男はつらいよ 寅次郎紅の花(シリーズ第48作)
山田洋次
0202tora48.jpg★★★★☆

 男はつらいよシリーズ最終作『寅次郎紅の花』。結果的に渥美清逝去により最終作となったが、シリーズでは後2作が準備されてたという。寅次郎と甥の満男それぞれの恋が描かれ、寅次郎のマドンナにはシリーズ中一番のコンビネーション築いてたリリー(浅丘ルリ子)が登場。満男も同じく最愛のマドンナ、泉(後藤久美子)が相手。それぞれがハッピーな余韻残す恋模様でシリーズ完結編のニュアンスもこめられてる。
 『男はつらいよ』シリーズ。毎回が完結のストーリーなれど、全48作、全体を貫くストーリーがあるとして、これまで3作のマドンナつとめたリリーが寅次郎に思い出話を語るシーンなどじわりと感動を呼ぶ下り。それにしても寅次郎とリリー、最後までケンカのし通しで、しっくり結ばれる事はない。まるで兄妹のような関係であり、それ以上にはならない

 今作では主舞台奄美大島にて4人が顔を合わせ、寅次郎とリリーに見守られながら満男、泉に愛の告白シーンのエポックがヤマ。この下りに行きつく前に、まず名古屋に住む泉が見合いの相談をしに満男
に会いに上京。満男はこれを心にもない祝福で送り、泉は津山での結婚式の道行きに。満男はこれをレンタカーにて阻止し、放心状態で奄美大島に流れ着き、リリーと暮らしていた寅次郎と偶然再開。追って泉がやって来て4人が揃う。

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2007年01月30日

切なき満男のつかの間の恋

男はつらいよ 拝啓車寅次郎様(シリーズ第47作)
山田洋次
0128tora47.jpg★★★☆☆
 
 琵琶湖湖畔、長浜辺りが主舞台で寅次郎と甥の満男2人の恋が平行して描かれる。
 満男の新しい恋模様が切なく響く味わい深い逸品。冒頭寅次郎、新人風演歌歌手(小林幸子)のドサまわりに出くわすが、これがいい案配で布石になってる
 
 寅次郎の相手はかたせ梨乃でカメラを趣味にした人妻・典子役。ケガをした典子を介抱する寅次郎に、この頃夫婦間の会話がなくなったと嘆きの一幕あるが、翌日に亭主が迎えに来て静かに送り出す寅次郎。
 方や満男の相手は牧瀬里穂で、当初からの満男の相手だったゴクミ(後藤久美子)の気配が消えてしまってる。シリーズ前作で一応の"別れ"を刻んだということか(今作の次の回でゴクミ再登場とはなるものの‥)。話があるとの先輩の招きで長浜を訪れ、思いもかけず妹(牧瀬里穂)に引き合わされることになる満男。出会いこそうまい具合とはならなかったもののその後2人は急速接近。しかし兄の思惑が妹の逆鱗に触れ、満男失恋の幕となり、いい感じの"切なさ"を感じさせてくれる展開に
 そして晴れ晴れするよなラストを迎える

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2007年01月25日

川崎敬三と川口浩で会社員喜劇

スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ
弓削太郎
0124su-dara.jpg★★☆☆☆

 C調社員・川崎敬三と硬派ドケチ社員・川口浩、2人の新入社員が織りなすコメディ。

 クレージーキャッツのヒット曲『スーダラ節』がタイトルで、植木等主演のお約束クレージーものとおもいきや、今作は大映制作ということでか、東宝のそれとはまるっきり別物のてい。植木は冒頭でMC出演と劇中でナレーションが少々。以下クレージーの面々は飲み屋シーンでウタ歌いのにぎやかしで登場の寂しい状態。唯一ハナ肇は主演2人の上司役でメインキャスト化してる。

 基本コメディなのだが、大映調というか、しっとり和風、漆黒の質感はえるレトロな雰囲気が微妙なミスマッチ的味わい残す。クレージー人気にあやかった、川崎敬三&川口浩の2大スター競演で押すサラリーマンもの

 大手商社の渉外課に入社した大学同級生の2人。入社早々、出世のきっかけとなる社長の訪米随行員への選抜レースを同期入社計7人と戦うことに。英語力、女性関係、渉外力などと数々の条件が課せられる中、当の2人は幼なじみだったり、亡き夫が似てるという事で接近する女性の影がちらつき、いきなり不利を強いられるが、他の面々も何かと問題ありで、というか選抜レースからのリタイヤで運気が2人向きつつある、か‥、そううまくもいかない
 ラストはハッピーエンド

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2007年01月14日

寅次郎、島の先生に恋して

男はつらいよ 柴又より愛をこめて (シリーズ第36作)
山田洋次
0113tora36.jpg★★★☆☆

 シリーズ第4作以来、15年ぶりに栗原小巻がマドンナ出演。伊豆・式根島の小学校の先生として登場するが、ほぼ『二十四の瞳』にインスパイアされたカタチで自転車乗りこなす「島の女先生」という風体。
 「大石先生」ならぬ「真知子先生」に恋する寅次郎。
 タイトルに取られた、柴又より、というよりかは「式根島から愛をこめて」の今作

 元はといえば、たこ社長の娘、あけみの家出により、あけみを柴又に連れ戻しに派遣された格好であけみの暮らす下田で会い、帰るまでにしばらく旅でもとあけみと2人で伊豆の旅、という展開だった。のだが、寅次郎、美人先生に会ってしまったが運のツキ。
 寅次郎にほっぽられたカタチのあけみは、旅館の純朴な青年との淡いロマンスが展開したりもして。寅次郎、あけみそれぞれの恋模様がパラレルで映し出されるが、あけみのそれは青年の一方的なモノで、後に青年からの告白を受けると、逃げるように柴又に帰還となるが、これに寅は本来の目的からして同行する、しかない。

 柴又に帰ってからの寅次郎は、いつものことながら抜け殻のようになってしまい、しょうがないから旅に出るとなる。寅次郎、とらや連中に別れを告げたその瞬間に、島の先生がとらやに現れて息吹き替えす寅次郎の単純明快なお約束。
 寅次郎の熱情の裏では、島の先生と第三の男との話がしっかり展開してるわけで、寅次郎、島の先生に、話があると言われ、聞いてみれば、そんな話を打ち明けられてしまう。のだが、これは先生から寅次郎への、男から告白されたがどうしようか、という相談のカタチであったりして。切ない寅次郎の胸のうち

 今作では、『二十四の瞳』でラストに展開する同窓会のエピソードがもじられ、本土に住む11人の生徒が久しぶりに先生に会いにやってくる設定。島への定期船で彼らと意気投合して、岸で彼らとともに先生との出会いを果たす寅次郎。
 12人めに寅次郎、という寸法で『二十四の瞳』。これを寅次郎「ちょっと目がちっちゃいから、二十三半ってところかな」と皆を笑わす

電映嗜好
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2007年01月03日

有頂天になれなくて

THE 有頂天ホテル
三谷幸喜
0102uchoten.jpg★★☆☆☆

 劇作家、というよりはもはやTVタレント、三谷幸喜監督、『みんなのいえ』に続く3作目。
 これ以上ありえないオールスターキャストでオールドシネマ『グランド・ホテル』をパロディ化したコメディタッチの群像劇。高級ホテル、"ホテルアバンティ"が迎える年越し前から年越しにかけての数時間の出来事で、ホテルスタッフ、来客らそれぞれが入り組んだ事情を抱え、大騒動を繰り広げる設定。全編小ネタ大ネタの嵐。これらが笑えるかどうかにかかるが、個人の趣味の問題になる。

 個人的には何か内輪受けの印象が強くこじんまりした印象。これはオールスターキャストゆえの膨満感か。
 前半からホテルを背負ってよな立つ頼りがいのある役どころの役所広司演じる副支配人も、中盤からはそのドタバタに巻き込まれ、主軸がゆらぎ、何か全体テンションが高いまま怒濤の展開を見せるが、これが食傷感につながって、中だるみのよな雰囲気

 美術セットも豪華だが、何か芝居風味のリアルさを求めない軽みがある。カメラは総じてヒキ目で芝居を捕らえ、それこそ舞台芝居を切り取ったかのカット割りを極力押さえた流れるような特徴的カメラワークが魅力的だったりもする

wikipedia 

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posted by nyony at 12:32| 東京 | Comment(0) | TrackBack(0) | '07CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする