2014年10月18日

自然とともに生きる民

デルス・ウザーラ
黒澤明
14.1017derusu.jpg★★★★☆

 タイガ(シベリアの密林)で出会った軍人と現地民、デルス・ウザーラとの友情話。極北の密林を舞台に過酷な道行き、冒険が終始続く。実話を元とし、しっかりとしたスジ立てがあるが、何ぶん描写が客観的で人物への視点も望遠狙いが多く、ドキュメンタリーを見ているような臨場感がある。大自然を相手にした2人に数々の試練が襲いかかりこれらをどう切り抜けていくかが見どころの一つ。そして2人の次第に堅く結ばれていく友情とその成り行き、現地民・デルスの生き様にも深く心引かれる。黒澤監督、初のカラー作品『どですかでん』から5年後の作品で、ソ連資本の映画。自然と本気で向き合った超大作

 舞台は20世紀初頭、ロシアの極東域の密林に踏査の命を受け隊を率いてやってきたロシア軍人アルセーニエフは現地の民、ゴリド人のデルス・ウザーラとふとした出会いからガイドとして同行してもらい、数々の試練をデルスの機転で切り抜けていく。天然痘で家族を失って以来家を持たず孤独の身で自然と共に暮らす漁師デルス。アジア人顔で小柄、初老風に見えるが俊敏で銃の腕も確かである。一時は凍結した湖の踏査で道に迷った二人。デルスの指示でそこらにある葦のような草をかき集める。休むな!と怒鳴るデルス。厳冬の折、陽が落ちると猛烈な風により凍死の恐れがあるため陽があるうちに草の野営地を築く算段だが、余りの過酷さにアルセーニエフは倒れる。朝になり草の庵で目が覚めるカピタン(デルスはアルセーニエフのことをそう呼ぶ)。命拾いをしたカピタンはデルスに信奉していくことに。探検が終わり、カピタンはデルスを家に誘うが森の生活と離れられないと断り二人は別れる。そして5年後、カピタンは再び踏査の命で彼の地を訪れ、デルスと再開、2人の冒険の続編が始まるが、その頃盗賊がその森に徘徊するなど状況が少し変わっており、さらにデルスの身にも変化がきていたことを知ることなる。悲劇の始まりでもある

wiki
posted by nyony at 10:12| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月10日

揺れる姫川、恋愛刑事ドラマ

■PAST CINEMA■
ストロベリーナイト
佐藤祐市
14.1009straw.jpg★★★☆☆

 12年1月よりのフジ系連ドラの劇場版。ドラマでは凄惨な殺人現場から始まり全体がダークが雰囲気に包まれた女性刑事・姫川を主人公としたドラマで、ライバルや上司の軋轢にもまれながらも部下の信頼厚く事件の真相に深く切り込む、竹内結子演じる姫川玲子が躍動していたが、映画版となって、図らずも容疑者と思しきヤクザもの(大沢たかお)と親しき間柄となり、姫川に思いを寄せる部下の菊田(西島秀俊)と合わせトライアングルな恋愛模様がフィーチャーされる成り行き。それには姫川の過去のトラウマが起因していて暴力団の若頭、牧田とは同じ闇を持つ同士の意識が働いたと。原作タイトルは「インビジブルレイン」で、映画では野外シーンを徹底して雨ふらしさせて雨を強調した。反面「見えない雨」は心の雨か。ドラマは全編見ていたが、ドラマでは敵対していたライバル刑事、日下(遠藤憲一)やガンテツ(武田鉄矢)が共闘関係を踏む。今回は同じ庁内の幹部が姫川の敵対として位置する。過去の警察不祥事にからみ、今回の連続殺人事件を暴力団の内部抗争としておきたい幹部と、姫川がつかんだ真実が相容れない構図となる。闇と闇、雨と涙とシャワーが呼応して、ますますダークだけど微妙な和音をつむぎだし、中途からストーリーは盛り上がってく。姫川班最後の事件簿である

wiki

posted by nyony at 09:43| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月08日

豪華客船謎解きクルーズ

謎解きはディナーの後で
土方政人
14.1007nazotoki.jpg★★★☆☆

 11年10月より放映済フジ系連ドラの映画版。原作は東川篤哉のベストセラー。財閥令嬢にて新米刑事 宝生麗子(北川景子)と執事の影山(櫻井翔)のコンビワークで難題解決のミステリーコメディ。今作は映画オリジナルストーリーで、シンガポール行きの豪華客船に乗り合わせた人間すべての容疑がかかる広義密室、連続殺人事件を追う。映画版ならでは豪華キャストが売りで、麗子の上司役でちょいとズレた推理で影山と対極をなす風祭(椎名桔平)や伊東四朗らのドラマ組ほか、中村雅俊、鹿賀丈史、宮沢りえ、生瀬勝久、竹中直人、黒谷友香らが加わりオールスターキャストの装い。ストーリー進行中、執事影山の毒舌「お嬢様の目は節穴でございますか?」がなかなか飛び出さない程の難事件で一度は客船から脱落するも、そこから起死回生、一発逆転の物語。さらにはサプライズな終結もありで、後味もよろしく、まとまったエンタメ大作

 客船は麗子の親の企業の持ち物で最高賓客として乗り合わせた宝生麗子。麗子が持った貴重なストーンをめぐって、あるいは風祭がシンガポールまで輸送する記念品、金獅子をめぐって犯人が忍び寄る2重構造。殺人は幾たびか起こり、麗子&影山が捜査に乗り出すものの、核心に近づいたためか策略に落ちて客船から脱落し無人島へ。なんとか救われ、再び舞い戻った2人。影山は陥れられたことで真相をつかんで犯人を確定。意外な犯人像とその背景。さらには忘れかけてた怪盗ソロスの存在が再浮上する

映画.com

 
posted by nyony at 08:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月08日

デザイナー紙芝居

カール・ラガーフェルド スケッチで語る人生
ロイック・プリジェント
14.0907Lager.jpg★★★☆☆

 スケッチブックにさらさらとペンを走らせながら自らの人生を語るドキュメンタリー。場所は彼のアトリエか、インタビューに答え、テーブルの上のスケッチブックでコメントの絵ときをしていく。三菱のポスカをご愛用。生い立ちから、どうなり上がっていったか、関わった人々について、色々。殴り書きのようにもファンション画のようにも見える落書きですべてを語り尽くす。コメントに答えるプロフィールショットと、スケッチブックを真フカンでとらえた2種の映像で基本構成される。資料映像一切なし。デザイナーならではの落書き紙芝居は新鮮な味を醸し出す。何よりも本人がじょう舌であり、筆が早い。スピード感。スケッチは書いては引きはがされ折り曲げられ捨てらる。残さない、これまでもそうしてきたと。

 フランスのアパレルデザイナー、カール・ラガーフェルドの自分史ノンフィクション。1933年生まれなので80歳を越え、今なお現役。幼少期の自分、ドイツ人として生まれ、パリに渡りデザイナーに。以降クロエ、フェンディ、シャネルと著名ブランドをわたり、自らの「カール・ラガーフェルド」を立ち上げ、以降4社のデザイナーを掛け持ち。黒服でシルバーアイテムをジャラ付かせる独特の出で立ちでファンション系のニュースではよく姿を現すセレブリティ。華麗なる人生を自ら語る様は圧巻

wowow

 
posted by nyony at 09:36| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月12日

美輪明宏、生涯を語る

美輪明宏ドキュメンタリー 〜黒蜥蜴を探して〜
パスカル=アレックス・バンサン
14.0811miwa.jpg★★★☆☆

 元祖ビジュアル系で、このところ年々人気が上がっているよう見える、美輪明宏を取りあげたドキュメンタリー。本人インタビューが主線となり(本人自宅で収録)、過去から現在までを縦断し伝記的に捉えた生き様グラフィティ。フランス人監督による海外製作もの。バンサン監督は、かつて映画配給会社で働いていた頃、日本映画「黒蜥蜴」を扱う際に主演女優の名が、男性名の「アキヒロ」となっていた事に興味を覚えて美輪を追うようになったと。
 「黒蜥蜴」は小津や溝口の輩出した松竹映画が製作。一見B級映画にも見える映画に出ていた美輪の計り知れない底深い魔力に魅了された監督は、銀座のシャンソン酒場から始まった美輪の輝かしくも傷だらけのキャリアをひもといていく。こと世界的なアーティストたちとの共作や個人のつながりなどが美輪の肉声や豊富なアーカイブ映像であらわとなる。三島由紀夫、寺山修司、北野武、宮崎駿らとの仕事。横尾忠則や「黒蜥蜴」の監督でもある深作欣二はインタビュー出演もしてる。
 歌手、俳優、プロデューサーとして華々しいキャリアを積んできた史実。中でも同性愛者として世間と戦ってきた成り行きはスザマジイ。化け物と石を投げつけられ、それでも心の中で聖書にあるマグダラのマリアの言葉「罪のないものから石を投げよ」を唱え耐えてきたと。ゲイの世界を世に知らしめた先駆者としての偉業も抜きでている。

映画.com

facebook

posted by nyony at 09:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月12日

宇宙への径、兄弟の絆

宇宙兄弟
森義隆
14.0411kyoudasi.jpg★★★☆☆

 その名の通り、宇宙に憧れる兄弟の話。映画にするにはちとスケールが大きめな話だが、宇宙に憧れ、実際にめざしていく過程にドラマがある。兄弟の片割れ、まず弟が先に宇宙飛行士となることで兄の葛藤があり、2人の行く先々で子どもの頃の2人の姿が回顧される。あの頃誓った思いが今残っているか…。一般企業で働いていた兄は自分を貫く姿勢から企業社会からはじかれるも、宇宙飛行士選考試験をめざし、その長い道のりを歩むことになる。映画ではそこ、例えば、閉鎖空間で2週間もの長い間見知らぬメンバーと時を過ごすという試験過程がクライマックスとして描かれている。密室空間に5人が同じ目的に向かうが、次第にそれぞれの個性があからさまとなり、うまくいくと見えると、内の1人に関係をぶちこわすような指令が秘密裏に下る。どう難局を切り抜くか、を見極める試験。そして並走するストーリとしては、月探査に向かった弟が、クレーターに墜落するひん死の事故に見舞われる一幕がありつづれ織りで多重な構造を形成。弟の帰還はなるか、兄は宇宙に飛べるのか…

 小山宙哉による人気コミックが原作で、テレビアニメが先行、映画では兄、小栗旬、弟、岡田将生で仕立てた。壮大な話をウマくまとめた印象だが、原作の構造をガイドするような説明的な感覚は受けた
 今夏(14年)、「宇宙兄弟#0」のタイトルでアニメ映画も封切りされる

映画.com

facebook
posted by nyony at 08:53| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月19日

スーさんに思い出の人

釣りバカ日誌3
栗山富夫
14.0118turibaka3.jpg★★★☆☆

 建設会社の社長と平社員、スーさんと浜チャンのでこぼこ釣りキチコンビが繰り広げるコメディ。今回は浜チャン(西田敏行)が愛妻・みち子(石田えり)との間に子どもができないのに悩み、気分晴らしにスーさん(三國連太郎)が釣りに連れ出すと、その浜で出会った宿屋の女将、雪子(五月みどり)にスーさんが見覚えあり。その昔兵役の頃、出会った女性に面立ちが似ており、母を聞けば一致していた。偶然の出会いに驚くが、浜チャンはその人がスーさんの娘ではないか、と疑問を抱くとともに、その頃その浜、伊豆・星が浦で起こっていたリゾート開発反対運動に乗る雪子に浜チャンが肩入れし、しかしその開発はスーさん、浜チャンが働く鈴木建設が進めるもので、混乱となる。
 釣りバカシリーズ初期の頃で、2人のコンビ、キャラ設定が既に確立済み。会社では社長と平社員だが、浜に出れば立場は逆転、釣り好きスーさんも浜チャンがいなければ、どうにもならない。しかし2人旅すればケンカが始まり、騒動が起きる。スーさんはみち子のいる浜チャンの家が心落ち着く場所となっているが、今回はそこで曰く付きの女、雪子と再会しスーさんは真実を語る流れとなる。みち子さん役は石田えりでやっぱり適役

映画.com

釣りバカデータベース
posted by nyony at 08:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | '14CINEMA_OLD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする