2005年09月13日

美的で重量感ある人間ドラマ

メゾン・ド・ヒミコ
犬童一心
0912meison.jpg★★★☆☆

 しっとりとした家族の物語。ゲイの人たちが集まる老人ホームが舞台ということでキワモノの匂いも見る前はあったり、そんな所が引っ掛かりとして見に行ったのだが、実にどっしりとした重量感ある人間ドラマが展開されるもんで、見る途中から少々身構えて見ることに。画面の隅々まで神経行き届いた映像の連続。室内の調度、衣裳、出演者の呼吸。言葉少なに緊張感ある芝居とあいまって、ただものではない美的スタイル。比較的出演者が少ないとはいえ出てる誰もが添え物にならないイキイキとした個性を持って映画の中で息づいている。
 そんなかで柴咲コウのどこかコミカルな軽妙さがアクセントになってたりしてるんだけど、実にしっかりした映画という印象。監督、犬童一心の映画は初見ながらCMディレクター出身というルーツからか、1カットごとの丁寧な画作りが印象に残る監督。老成した作風。
 
 幼い時分ゲイをカミングアウトし家を去った父(田中泯)が営むゲイの集まる老人ホームを、父の「彼氏」春彦(オダギリジョー)の熱心な誘いと、ガンの闘病中で行く先短い父の遺産目当てとして手伝うことになったヒロイン沙織(柴崎コウ)。家族を捨てたことで父を憎みに思うことに始まるゲイの住民らへの偏見から心を閉ざす沙織も、繊細な彼らの心情に触れ本来がお祭り好きな彼らとハレを楽しむうちに徐々に打ち解け、自分の知らない父母の関係を見聞くうちに父との壁も次第に溶解。春彦との間にも結ばれない身体性を超えた感情が育っていったりする。そんなヒロインの心の機微が主線。

 ともすると地味な筋書きも、オダギリ、柴崎、さらに田中泯を中心とした充実のキャスト陣で妖艶で華やか、耽美で浪漫(ろうまん)な香りだたよう映画になってる。キャスティングについては「この映画は地味なリアリティに没するとつまんない。そういうスター性が絶対に必要だなと思っていました」と犬童監督。近ごろ珍しニュアンスあるエイガ

電映嗜好
posted by nyony at 01:21| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(20) | CINEMA_NEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとう。
僕もあまり期待していなくて、途中から、がぜん面白くなってきました。
Posted by kimion20002000 at 2005年12月19日 19:28
コメントどうも
想定外の展開と、想定外の面白さ
だったような気がします
Posted by nyony at 2005年12月19日 21:34
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