2006年04月28日

エヴリン・グレニー、音楽旅

タッチ・ザ・サウンド
トーマス・リーデルシェイマー
0427touchthesound.jpg★★★☆☆

 音に触れる音楽の旅。
 聴覚障害のハンデを乗り越え世界的奏者として世界を股にかける打楽器奏者、エヴリン・グレニーをフィーチャー。ギタリスト、フレッド・フリスとの廃工場でのセッションレコーディング風景を主軸に、海外演奏の合間に触れるその街それぞれが放つノイズを彼女の感じるままに収めた映像を織りなしていった音楽ドキュメンタリー。

 街角にたたずみ耳を澄ませば、ヒトのこえや足音、車の走る音、信号機の発する音などがあり、その全てはリズムを奏でており、それらが交じり合うことで新たなグルーブ(うねり)を生み出している、というようなことを映像として紡ぎ出している。全ては彼女が感じているであろう感覚に寄せた映像群なのだろう。音楽(リズム)はごく身近に存在していて、それは街に限ったことでなくて森や海、一見静寂の中にも何かしらの音楽が存在する。「音(sound)の対極は静寂(silence)ではない」とグレニー。静寂さえもが"音楽"で、すべてのものに「波動」が宿るということらしい。であれば、音の反対は"無=死"か

 彼女が感じる(楽しむ)音とは、一般人が耳や先入観(=脳の作用)をフィルターとして感じる"情報"ではなく、その時々でそこに漂う「波動」な訳で、それを感じ取るパワー(グレニーいわく"第六の感覚")は聴覚を凌駕する、といったところなのだろう。とても新鮮で目ウロコ的な感覚だ。日常の音への接し方を再認識させてくれる

 映画では、ニューヨークの駅構内でのスネアドラムの路上演奏やストリートダンサーとのコラボ、日本でのシーンも数多くて(日本のある打楽器奏者に師事してた時期があり、そのためか日本通)、居酒屋で箸をスティックにした即興。和太鼓集団、鬼太鼓座とのセッション。さらに故郷スコットランドの実家に兄を訪ね幼少期を振り返る旅。メインの廃工場でのセッションは現代音楽家として名高いフレッド・フリスとチューブやそこらにあるダクトなどあらゆるもの"楽器"にしてのフリーライブ。

 「音は日常の薬であり、敬い楽しむべきもの」とグレニー
 自由でポジティブなグレニーのパワーをもらえる音楽映画

 2007年5月に再来日予定

電映嗜好
posted by nyony at 09:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | CINEMA_NEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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