『すてるたび』
作・演出:前田司郎
★★★☆☆「ゆるさ」を求めてみにいったが、意外にも熱のこもった芝居だった。とはいうものの、ベースは脱力感覚にまみれていて個人的にはやはりなじめる、というか究極のなごめる劇風
岸田戯曲賞作家、前田司郎氏率いる五反田団、第36回公演『すてるたび』。町工場を改装して作ったような仮設空間的小バコ、アトリエヘリコプター(@五反田)にての上演。照明専用のつり天井のない簡素な空間。美術は会議椅子4ケのみ。出演は男女2人づつ4人で、それぞれが兄弟と姉、弟の妻の設定であると徐々にわかる。夢に出てくるような状況が常に移り変わりのメタモルフォーゼなシーン展開。
床にうごめく弟、姉が出てき、父の箱をいじったでしょ殺されるわよ、と。恐怖におののく弟は出し抜いた兄をなじるも箱からタロウを連れ出した兄と小さな動物と思しきタロウをかわいがる。弟の妻が出てきて場は父の葬儀会場。先行予約できずいい席が取れなかったと後ろの席にいるが徐々に前の方に行く2人。そして場は電車に乗る4人。父の遺体になり代わったタロウを連れての旅の始まり。
黒田大輔(シャンプーハット)演じる弟がほか3人から常にやり込められて3対1の構図。黒田氏は相当と体力勝負のハードな役回り。弟妻役、安藤聖のどエス演技もみ物。そこはかなく死生観ただよう不条理劇
アフタートークで裏話など。前田氏、最近の外部活動で窮屈さを感じていて今作で自由にやってみたと。書くのが早い分台本が何稿書き換えられたと。美術に関して、いつもは布団敷き詰めで寝そべりながらが多いが今回新しい試みで椅子を使ったが、結局床での芝居が増えてしまった、など
25日まで。
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